心頭怒髪天の人

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テレビを見ていた時代には、専門家と言えばろくでもない人間と思っていましたが、
ネットでニュースや情報を見るようになると、必ずしもそうではないとわかってきます。
原発事故に対する対応なども、「まだ大丈夫、まだ大丈夫」なんて言っているだけで、
何が大丈夫で何が危険なのかを何も説明できない専門家など、糞喰らえ!ですが、
すでに有名人となっている小出裕章先生など、詳細な説明と発言を続けられている。

それでも解消しない疑問は多くて、例えば福島第一原発の事故に関して言うなら、
メルトダウンした核燃料の総量はどのくらいで、その放射線量はどのくらい有るのか?
現在測定されている放射線量が少ないなら、その他の放射線はどこへ行ったのか?
そんなことを心配していたら、ようやくおよその数値や危険性を聞くことができました。
あまりにも遅い話ですが、7月27日の衆議院厚生労働委員会での参考人として、
発言されたのは、東京大学アイソトープ総合センター長の児玉達彦さんでした。

その模様は、YouTubeで見ることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=O9sTLQSZfwo

彼らは違法だとわかっていても、福島へ出掛けて放射能を除洗し続けるしかない。
そんな良心に従って行動する人がいるから、日本は辛うじて体裁を保っているわけで、
マスコミは少しでも真っ当で公正な報道をする気があったなら、こうした人の発言こそ、
探し出してでも報道すべきだっただろうと、いまさらながらに残念でなりません。
児玉さんの話によれば、メルトダウンした核燃料の量はヒロシマ型原爆の29.6個分で、
しかも原発の核物質は、原爆の核物質よりも100倍危険性が長引くとのことです。

これだけを聞いただけでも、原発事故がどれほど恐ろしいものかわかりますが、
児玉さんはさらに、内部被曝の恐ろしさを染色体の特徴からわかりやすく説明します。
そうした知識と見識の元に、汚染地区の子どもたちに対する対応を厳しく批判し、
自主避難は保証しない」とする政府対応が、いかに不見識かを解説しているのです。
いまだに止まらない放射能漏れの総量を考えれば、今回の事故の恐ろしさがわかります。

すでに4ヶ月以上の時が過ぎても、広がるばかりの被害を考えるとき、
事態の深刻さを知っている彼の激昂した声は、人間の良心から出た怒りの声です。
マスコミに飼い慣らされて、何でも他人事のように論じてばかりの人形ではなく、
自らの良心に従って発言し、法を犯してもやるべきことを行動する真人間、
彼の発言を見ていると、そんな人間のあるべき姿を見る思いがするのです。

「7万人の人が家を追われて彷徨っているときに、国会は何をやっているのですか!」
児玉さんは最後に激しい口調でそう言って、足早に参考人席を立ち去りました。