南砺市協働のまちづくり条例策定委員会

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2年間に渡って学習しながら、市民による条例作りを目指した、
南砺市協働のまちづくり条例」は、先月6月に市民会議案をまとめ、
今月からは次のステップとして、策定委員会による検討が始まっています。
まず市民会議のメンバーが、策定委員会に出席して内容説明を行い、
次に策定委員会側から、内容確認や理解のための質問と応答があって、
その結果を基に、策定委員会側から修正案が示されて議論が進む予定です。

8月中には修正を経た最終案がまとめられて、9月には市民に公開、
パブリックコメントに対応をしたうえで、10月には最終調整が行われ、
平行して市長、行政、議会に対する説明が進められ、12月議会で審議される。
長きに渡った「市民協働のまちづくり条例」も、ようやく先が見えてきて、
このままうまくまとまって、成立することを願わずにはいられません。

すでに2回、策定委員会による市民会議案に対する質疑と応答があって、
市民会議メンバーとして内容説明を行いながら、見えてきた不備もありました。
あるいは不備とは言えないまでも、策定委員各位による思いの違いもあって、
皆さん真剣な意見が飛び交い、思わず声を荒げる人も何人か見受けられました。
それでも素晴らしかったのは、参加者全員が自分たちの南砺市を大切に思い、
少しでも良い条例にしたいと考えて、質疑応答が進められたことでしょう。

南砺市は都会と違って、今でも地元の地縁による絆が深い地域なので、
「地縁組織」が協働を担う大きな柱になりますが、この地縁組織にしても、
八町村合併の以前に長い歴史があって、名称も活動内容も違っています。
例えば「自治振興会」「町内会」「自治会」など、理解のされ方も違うので、
これをどのようにまとめるかは、そう簡単なことではないのです。
今回の条例作りを契機に、あるべき自治振興会の雛形作りを求める声もあって、
市民会議でどうするか検討もしましたが、これは今やるには荷が重すぎます。

あるいは市民による行政のチェック機構に関しても、市民会議案では、
「協働のまちづくり推進会議」設置を定めているのですが、今ある機構で、
趣旨に合った推進チェックをするのでは、何故ダメなのかと言った意見。
市の予算及び決算の内容を把握できる説明書を、全戸配布としたことでは、
経費が掛かりすぎて、無駄が多いのではないかとの指摘もありました。

こうした意見は、市民会議である程度予想されたことではあっても、
最初から予定調和的に妥協するのではなく、市民の要望を条例文化して、
これを叩き台に、何がダメで何が良いのかを、既成の常識を超えて判断する。
すなわちここに、条例の作成そのものが協働であることの意味もあるので、
安易にこれまでの判断を継承するのではなく、見直すことに価値がある。
そう考えれば、多少の回り道をしてもやっておくことではあるのです。

現在公募されていない、市の審議会などの付属機関や各種委員会に関して、
市民会議案では、「全部または一部を公募」と規定しましたが、
策定委員から「一部」ではおおかた都合のいい人が選ばれるのでは?
との意見もありましたが、現在は公募がないので、一歩前進の気持ちです。
あるいは付属機関や各種委員会の構成員を、「どちらかの性が7割を超えない」
規定に関して、なぜ7割なのかとの質問があったので答えておきましたが、
クオータ制そのものを否定する人がいなかったのは、時代の流れなのでしょう。

市民会議はあくまでも公募による有志の集まりで、検討してきましたが、
策定委員会の方は、老人クラブ連合会会長、PTA連絡協議会会長、
自治振興会連絡協議会会長、農業協同組合代表理事組合長、連合婦人会会長、
市議会議長、体育協会会長、商工会専務理事、青年会議所前理事長、等々、
南砺市のあらゆる分野から代表者を集めた会なので、ここで作成されたものが、
最終的に条例となることを目指し、あとしばらく頑張りたいと思います。