ブータンの幸福

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国民総幸福度GNH(Gross National Happiness)という言葉が、
このところ日常の様々なシーンで、聞かれるようになりました。
けれど何をもって幸福度を計るのかは、意外と知られていません。
理由はGNPやGDPのように、簡単には数値化されないからですが、
何をもって計るかは、いちおう9つの項目が定められています。

1,基本的な生活(living standard)
2,文化の多様性(cultural diversity)
3,精神的幸福・精神衛生(emotional well being)
4,健康(health)
5,教育・教養(education)
6,時間の使い方(time use)
7,環境(eco-system)
8,地域共同体の活力(community vitality)
9,良い統治(good governance)

だけども、こうした要素がどうなればいいのかが難しくて、
実際には国際的に比較することが、出来ないのが現状でしょう。
ただ同じ国内で、年ごとの変化から幸福度の推移を見るのは可能で、
実際に某信託銀行では、日本の幸福度を計って見せてもいます。
それでも一般化しない理由は、やはり価値観の問題でしょう。

「教育・教養」一つを取っても、何を目指すかによって大きく違い、
例えば日本の教育・教養と、ブータンの教育・教養を比較しても、
ほとんど意味のあるものにはなり得ないからです。
人によっては、日本の若者が「幸せ」を感じていないことから、
日本のGNHを、先進国最下位だと論じている人もいますが、
それだって、どう比較したのか明確に示すことは出来ないでしょう。

そんな中で、昨夜のテレビに出ていたブータンの首相が、
「幸せのために何が一番大切か」と聞かれて、
◆家族に恵まれていること
◆平和に恵まれていること
◆自然に恵まれていること
と明確に答えていたのが印象的でした。

国土の一定割合を森林として、これを減らす伐採はしない法律があり、
そのために家の建設が遅れても、余り気にしない様子です。
電気もガスも、日本人が必需品だと思っているインフラがなくても、
国民の9割以上の人が幸福感を感じているのに、日本人は・・・・

そう言えば、家族や結婚に関してもブータンは日本と違っていて、
例えばブータンには、結婚式なんてものがないのも興味深い。
男と女は気が合えば一緒に住んで生活を共にし、そのまま夫婦になる。
結婚しているかしていないかは、両親が認めるかどうかで、
それも両人が仲良く暮らしていれば、反対する理由もないのです。

さて、大量の物にあふれて、たくさん消費しないと幸せになれない、
そう思い込んでいる日本人を、僕は奇妙な人たちだと思いますが、
このブログを読む皆さんは、いったいどう思っているのでしょうか?