稲の苗床作り

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田んぼの中に作った稲の苗床に、種下ろしを済ませました。
今年は通常の食用米は、直播きをして育ててみるつもりなので、
苗床に下ろしたのは、すべてブレンド用の古代米です。
今年は赤米3種、黒米2種、香り米、ミドリ米の7種類で、
そのほかにテスト用の古代米も、少しですが植えてみます。

僕らの苗床は、田んぼの中で表層土を剥がして作り、
なるべく環境を変えないで、稲を育てるのが特徴です。
写真に写っているのは、ヒゲ赤米の種を下ろした状態で、
この上に覆土を掛け、その上に藁を掛けて、さらに布で覆います。
苗を寒さから守る意味もありますが、鳥に食べられないよう、
隙間なく全体を覆って、風に飛ばされないよう重しをします。

ここまでは例年通りですが、今年は新たな挑戦として、
苗を作って田植えをするのではない、直播きもやってみます。
なるべく自然に近い形で育てようとすれば、苗植ではなく、
田んぼに直接種を蒔いて、そのまま育てた方が命に無駄がない。
そんな風に思うので、挑戦してみることにしたのですが、
一番の問題は雑草対策と、鳥に食べられない対策でしょう。

苗床作業が終われば、しばらく田んぼに手は掛からないので、
その間に、いくつかの方法を試してみようと思っています。
植える場所は、去年の稲株の間にすれば問題ないでしょうから、
そこを鎌で除草してやると同時に、行間の草を鍬でひっくり返す。
いつも田植えの後でやる草の裏返しを、一度やっておいて、
さらに鳥対策として、直播きした場所には藁を広げておく。

天気予報を見ながら、晴れの日と雨の日の作業を計算し、
フィールド作業はなるべく晴れた日に出来るよう、計画します。
せっかくの自然農ですから、気持ちよく外作業したい!
そう考えて、雨の日に外作業はしないのが原則です。
畑にこれから植えるものも、順調にポット植が進んで、
いよいよ本格的に、田畑に作物が満ちる季節になりますね。

この命の喜びを、原発で台無しにされた避難区域の農民は、
これからどのように、生きていくことになるのでしょう。
野菜にしても米にしても畜産にしても、考えるとゾッとします。
東電と政府は、こうした避難民の1人1人に頭を下げて、
生活の目処が立つまで面倒を見る責任があるでしょう。