田中優さんの話

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東京電力による、福島第一原発の事故を受けて、
このところ田中優さんの講演が、大人気になっています。
昨日は午後に、金沢市兼六公園に近いKAPOの二階で、
夜は野々市町文化会館フォルテ大ホールで、講演があり、
今日も午後から、石川県地場産業振興センターで開催です。
僕はKAPOの二階で行われた講演会で、スタッフを手伝いました。
これは30人定員で企画された、小さな講演会の予定でしたが、
予約がさばききれずに、急遽定員を70人にして、
それでも予約なしに来た人を含め、85人が集まりました。

話の内容は、いつもと何一つ変わることはなく、
原発の愚かさと、自然エネルギーへの転換を訴えるものですが、
3.11の福島原発事故の惨事を受けて、関心を持つ人が増えたようです。
もともと田中優さんの講演は、熱心な聴講者が多いうえに、
今回は危惧されながら起きてしまった原発事故に対して、
田中さんがどんな分析をされるか、興味深かったことも事実です。
彼自身も開口一番、急に講演会の参加者が増えたと笑っていました。
もっと多くの人が、事故が起きる前に関心を持っていたら、
今回のような悲惨な事故は、起きずに済んだかも知れませんが。

福島原発の事故は、まったく想定通りの事故だったので、
いまさら何を言っても手遅れで、何年掛かっても冷却していただく。
僕らはこの危機に際して、直接協力できることは何もないし、
だからこそ、原発システムは間違っているとも言えるのでしょう。
そこで今僕たちが考えるべきことは、なぜこんな暴挙が許されたのか?
二度とこのような間違いを犯さないために、どうすればいいのか?
しっかりと検証して、正しく認識しておくことが大切です。
そこで見えてくるのが、法律で守られた日本の電力利権の巨悪で、
この構造を変えない限り、日本に未来はないでしょう。

今回の優さんの話で聞けた、新しく指摘されたことは、
最近欧米では新規電源の6割が、自然エネルギー源になっている。
うまく自然エネルギーを導入した国が、料金も安くなっており、
風力発電で世界2位のアメリカの電気代は、日本の1/3であり、
自然エネルギーの導入に積極的なスウェーデンは、日本の1/6だとか。
日本の電気代が高い原因は、自由に電力開発に参加できないことで、
一つの電力会社が、電気事業法で事業の独占を保障されているからです。
自然豊かな日本には、豊富なエネルギー源と優れた技術があるのに、
日本の電力会社は、その参入を拒んでいるのが実情なのです。

そうは言っても自然エネルギーは不安定で、エネルギー効率も悪く、
採算が合わない!と思い込んでいる日本人が多いのは何故か?
電力会社は、いくら宣伝費を注ぎ込んでも経営を悪化させないので、
彼らは膨大な宣伝費を注ぎ込んで、市民にそう思い込ませてきたのです。
原発がクリーンで安全!と宣伝して思い込ませてきたのと同じで、
自然エネルギーは効率が悪くて、不安定で、役に立たないと宣伝してきた、
その効果として、多くの人々は何も検証しないで信じているのです。
だけど世界に目を向ければ、彼らはそんな宣伝を受けておらず、
自然エネルギーの優位が認められ、転換が進んでいるのです。

世界的には、原発のコストより太陽光発電の方が安くなっており、
多くの日本企業が、自然エネルギーの発電技術を世界に輸出している。
それなのに日本で導入が遅れているのは、電力会社が邪魔するからです。
日本には世界的に優れた★「省エネ製品」があり、★「バッテリー」があり、
★「電気自動車」があって、★「IT技術」だって優れている。
さらに豊かな★「自然エネルギー資源」が、利用されずに眠っている。
現在日本のエネルギーは、94%が輸入に頼っているのですが、
これを国内で賄える自然エネルギーに転換すれば、それだけでも、
年間24兆円の無駄を、節減することが出来るのです。

僕らが東京電力原発事故の惨事から学ぶべきことは、
(1)原発がクリーンで安全!などの、宣伝デマに惑わされない。
(2)エネルギーと食料の自給自立で、無駄のない幸せを目指す。
(3)経済拡大よりも、穏やかな日々の生活が優先される社会にする。
(4)巨大利権勢力を排せるような、市民民主の政治を実現させる。
まだまだあるでしょうが、今回の原発災害を二度と繰り返さないために、
大利権に惑わされない、市民の覚醒と自主的な行動によって、
新しい価値観による、豊かな社会をつくって行く必要があるのです。
他人事ではなく自分のこととして、まず自分の生き方を考えたいですね!

午後に行われた野々市文化会館フォルテでの講演会の様子が、
すでにネット上で公開されていますので、参加できなかった方は、
こちらから見てみてください。
http://fm4649.net/2011/04/yuu/
今回の講演会には金沢市長も参加され、熱心に話を聞かれたと伺っています。

今年の DAYS JAPAN 2月号には、田中優さんの講演内容と同じ、
「次世代エネルギー最前線」が載っていますので、ご参考まで!
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B004I6HMAI/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=isobehon-22