名古屋トリプル投票結果から

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名古屋では6日の日曜日、名古屋市長と愛知県知事を選ぶダブル選挙に、
名古屋市議会解散の是非を問う住民投票が加わる、トリプル投票がありました。
結果は両選挙とも、減税を公約した川村たかしさんと大村秀章さんが勝ち、
さらに減税に抵抗する議会を解散する住民投票が、圧倒的賛成多数となりました。
この両選挙には、民主党推薦の候補もいたし自民党支援の候補もいたのに、
まったく問題にならない大差で、大政党の支援を受けない候補が勝ったのです。

この結果を受けた民主党自民党のコメントは、これは特殊な事例として、
政党が否定されたわけではなく、川村さんの戦略が功を奏したのだと言います。
市長と県知事の両方で、減税や大名古屋構想などの話題を振りまいて、
この話題に乗っかったマスコミを利用しての、戦略による勝利だというのです。
本当にそうなのか疑問に思って見ていたら、Yahoo!のアンケート結果では、
半数近くの人が、この勝因を政策やマニフェストによるものだと答えており、
選挙戦略による勝利だと答えた人は、1割しかいなかったのです。

これだけを見ても、現在の政治家が市民感覚からずれていることがわかるし、
そもそも議会解散の是非を問う住民投票で、解散賛成が多かった理由もわかります。
川村市長の言葉を借りれば、市民が苦しんでいるのに高給で楽をしている議員に、
住民はいい加減うんざりしているとしか、言いようがない事態なのでしょう。
特に市民生活に一番密着している市議会への不信は大きくて、別のアンケートでは、
市議会がちゃんと働いていない!と答えた人が、3/4に達していたのです。

もともと市議会議員は、選挙で市民の負託を受けて議員になっているはずなのに、
これだけ不信感を持って見られているのは、一体どういうわけなのか?
いつも言っていることですが、投票したい人が立候補してこない状況のまま、
投票率だけをアップしようとして、キャンペーンしていることにも問題はある。
もっと投票に値する人が立候補しやすい仕組みとか、システムが必要で、
そのための検討がなされてもいい時代に、なっているのではないかと思うのです。
選挙が近づいたときだけ頭を下げて回る議員そのものに、うんざりしています。

国は馬鹿げた金額の借金をして、身動きが取れなくなっていますが、
何が問題かもわからないくらい、痒いところに手が届かない巨大組織と違い、
市政は身近で、議員に政治能力がなければすぐにわかることでしょう。
そんなやる気のない議員に、いつまでも高給を支払う余裕はないのです。
まずは身近な市町村単位から、新しい政治の在り方を求めていけば、
「特殊な事例」が日本中に広がって、国政を変えることだってできるのです。