南砺市総合計画と循環型社会

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南砺市では、八町村の合併によって新市ができたときに、
「市民と行政が共に目指すべき方向を明らかにする」として、
南砺市総合計画が作成され、これを行政の基本方針としています。
今回「まちづくり条例市民会議」の勉強会の一環として、
僕らは何を目指してまちづくりするのかを、共有するために、
現行する市の方針を知っておく、勉強会を開催しました。

南砺市には、行政に対する様々な疑問を解消するために、
「なんとセツメール隊」と言う市政出前講座の制度がありますので、
これを利用して、南砺市総合計画の内容を確認するものです。
行政側からの説明には、企画情報課の斉藤課長にお越しいただき、
20人ほどの市民が集まっての、活気ある会になりました。

事前にいくつか、知りたいことを質問として出しておきましたので、
まず斉藤課長から、総合計画の説明と質問に対する回答がありました。
その中でいくつか新たな疑問も感じたので、再質問を兼ねて、
僕の方からは主に、循環型社会への取り組みと成果進捗について、
基本目標としての「循環型社会」がゴミの減量でしか成果がないこと、
それ以外に何一つ進捗確認もできないことを疑問として問いました。

特別問いつめるつもりはなかったのですが、進行担当の人が、
「総合計画作成の時点では、まだ循環型社会の認識が及ばなかった」として、
食やエネルギーの循環が考えられていなかっただろうと、擁護されます。
総合計画には「太陽光、風力やバイオマスなどの地域新エネルギーの調査研究」
と明記されているので、認識が及んでいなかったとは考えにくいのですが、
僕の言い方がきつかったのだろうと思って、その場は矛先を納め、
広く市民から意見を聞いた、協働作業としての運営をお願いしておきました。

それでも、僕と同じように疑問を持った人は何人もいたようで、
「それでは総合計画に明記されている環境基本条例はどうなっているのか?」
「毎年8億円の経費は何に使っているのか」と他の人から質問が出てきました。
環境基本条例や環境基本計画の設定に関しては、現在検討中との答えだけで、
平成19年に作成された10年計画で、来年度で前半が終わるというのに、
ゴミが少し減っただけでは、総合計画として納得できるものではありません。

今回の勉強会で見えてきたのは、どんなに立派な目標を作っても、
その内容をキャッチコピーだけで共有したと勘違いせず、実現するためには、
具体的な施策を行う時点でも、市民の協働参画が不可欠だということ。
企画段階から協働したことは、具体的な施策においても協働による計画が必要で、
さらに成果に関しても、行政側が勝手な評価をして済ますのではなく、
市民を加えた第三者による評価がないと、目標まで意味を失ってしまうのです。

今はまだ、市政の情報公開に関しては歴然とした公開制限があるようで、
「どこで何をするか」などの具体的な内容は、非公開で進められることが多い。
しかしこうした選択こそ、総合計画や市政を実現する動力となるので、
一部の行政職員の判断に、任せていていいことではないでしょう。
プライバシー以外の情報は、総てを公開することが原則にならないと、
市民協働によるまちづくりは、絵に描いた餅になりかねないことを、
あらためて、具体的な総合計画において見えた感じがしました。