里山雪景

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昨夜の雪が、晴れわたった青空によく映えます。
空気が冷えて澄み切って、遠くがくっきり見えるので、
いよいよ冬の到来に、身も心も引き締まって感じる季節。
寒いのは苦手でも、この美しさは何にも代えがたいですね。

この山中にも、人は長らく住み続けているわけで、
そうした知恵は、将来の循環型社会には大切になる。
にもかかわらず、伝える人が少なくなったのが心配です。
昨日も書きましたが、伝承されるべき文化は生活にあって、
生活からかけ離れた、重要文化財などではありません。

近隣の山には、以前ならたくさんのウサギやイタチ、
タヌキやキツネが、当たり前に住んでいたそうで、
雪が積もると、いたるところに足跡が見られたそうです。
それが今では、あらゆる野生の小動物が見られなくなって、
熊や鹿の大きな動物だけが、なんとか生き続けている。
あるいは、田畑を荒らすイノシシなどが増えている。

人間の便利さのために、あらゆる命を犠牲にして、
気が付けば人間の暮らしさえ、危なっかしいものになった。
この状況を正しく認識すれば、僕らが次の時代に何を目指し、
何を大切に、文化や子どもたちを育てるべきかも見える。
世界的にも持続可能な文化モデルが、求められているのです。

本来の日本には、鎮守の森を大切に守る自然文化があって、
産業経済のために、自然を破壊していいはずはないのですが、
近年はアメリカ型の大量消費文化で、破壊が続いています。
中南米からは、こうしたアメリカ型モデルへの批判が始まって、
様々な国際会議での、新しい一翼を担い始めているようです。
日本文化は、世界のリーダーになれる資質を持っている。

だけど日本のテレビ新聞に登場する、いわゆる知識人たちは、
相変わらずアメリカ型の、大量消費文化を追い求めて、
経済が拡大すれば、何でも問題が解決するかのようです。
そうやって、珊瑚礁の海が死滅し、山の小動物がいなくなり、
ついには人間自身が、生きにくい社会を作り上げてしまった。

この美しい雪景色の山を見ていると、僕らはもっとずっと、
自然を大切に、自然と共に気持ちよく生きられるはずだと思う。
コンクリートで固められた町は、厚化粧でごまかしたもので、
ひたすら人が塗り替えないと朽ちていく、不自然な世界なのです。