利賀で、しゃべり場

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南砺市奥座敷の奥、利賀の天竺温泉に特設会場をしつらえて、
富山県内屈指のファシリテーター、氷見の本川さんをお迎えしての、
利賀の将来を活性化させる、意見交換しゃべり場がありました。
雪が降り続いている夜でしたので、一人では行けませんでしたが、
福野高校時代の部活仲間が、今は南砺市の議員をしていて、
乗せていってくれるというので、同乗して行ってきました。

天竺温泉のふるさと財団からも、中谷さんほかの参加があり、
利賀の商工会や市役所、先生、PTA、青年団、農業公社、等々、
皆さん個人の意志で、16人ほどが熱心に集まっておられました。
同じように、僕のように利賀以外に住んでいても利賀が好きな人が、
遠くは名古屋から来た人を含めて6人ほど、合計22人に、
某テレビの宮城さんと、本川さんを含めて24人の熱気でした。

こうした意見交換は、話を纏めるのは大変なことなのですが、
ベテランの本川さんは、自己紹介から活発に意見を引き出します。
ワークショップ形式を取りながらも、強引に形式を押しつけず、
その場の流れをうまく取り込みながら、話の展開を促してくれる。
僕もファシリテーターをしたことがあるので、わかるのですが、
形式を維持して、形式に囚われずに意見を引き出すのは難しい。

今回は最初に地元の人から、過疎化や高齢化の問題が出たので、
地元外の一番手で自己紹介した僕は、むしろ利賀や南砺市の魅力を、
自然の豊かさや、雇用ではない生活の味わいなどを話しました。
もちろん、そうした自立的な生活は苦労も多いのですが、
あてがわれた暮らしを、お金で消費するだけの生活ではなく、
自分の努力で楽しむ暮らしを、取り戻すことでもあるでしょう。

新聞テレビ的な発想では、負の問題でしかない過疎や高齢化を、
過密だった人口が適度に減って、暮らしやすくなったと考えれば、
長生きものんびり、自分自身の人生を味わって暮らすと考えればいい。
そうした発想の転換も、地元より外部の人間によくわかるのです。
だからこそ、利賀や南砺市が持つ自然や自然文化の豊かさは、
これから未来の持続的循環型社会に、大切な資産になるのです。

ひとたび発想の転換が出来れば、問題の設定も違ってきます。
過疎化や高齢化をいかに防ぐかでなく、今住んでいる人の暮らしを、
いかに楽しいものにしていくかと考えて、楽しみを増やす方向へ、
努力の方向を変えることで、生活を豊かにする智恵が出せるのです。
長い自立文化の歴史を持つ南砺市では、利賀のような山間部も、
井波や福野のような平地部も、自然文化の技が詰まっているのです。

なにも特別な祭りや伝統工芸にばかり、歴史があるのではなく、
過酷な自然の中で生き延びるために工夫された、様々な術があり、
せっかく築きあげられた、自然を活かす生活文化こそ貴重なのです。
そう発想転換できれば、今埋もれている高齢者の道具や智恵も、
これから貴重な財産として、管理運用するノウハウも必要ですし、
情報発信すれば、地元のアピールにも繋がっていくでしょう。

今回は、過疎や高齢化の典型的な場所とされる利賀の奥地で、
その豊かさを活かしたくて、僕も話しに参加したのですが、
皆さん具体的な提案がいくつも出て、楽しい2時間半になりました。
これからも継続して、利賀をはじめとする南砺市の豊かさを伝え、
これを活かした、持続可能な豊かな社会を提案していきたい。
雪が降り続く帰り道でも、あらためてそんなことを考えました。