「史上最強の乙女のバイブル」

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これは面白い!と唸れる本を読みました。
「これで、あなたの運命がキマル!
  史上最強の乙女のバイブル。
バラ色の未来を約束する五つの乙女レシピ」
とまあ、若い女性が好きそうな占い本か?と思ったら、
読んでみてビックリ、哲学書にも匹敵する内容の奥深さです。

表紙を見ていただいてわかるとおり、カラフルな装幀で、
中を見れば、絵本かと思われるきれいなページが続きます。
そして最初にある「一生しあわせ乙女宣言」を読むと、
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乙女は、幸せになるために生きている。
“そこそこ”とか“まあまあ”なんかじゃなく、欲張りに。
「誰よりも!」「最高に!」「世界一!」幸せになるために。
もちろん、乙女の辞書に、“妥協”という文字はありません。
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とまあ、こんなことが堂々と書いてあります。

勿体ぶったところもなく、単刀直入な言い方で、
賢い乙女は無駄な努力もしないで、バラ色の未来を手に入れる!
そう言いきる潔さというか、無謀というか、大胆というか・・・
何かの“とんでも本”かなと思いながらも読み始めたら、
これがとても説得力もあるし、深い人生哲学が備わっている。
なんだこれは?と嬉しくなって、最後まで読み切ってしまいました。
内容の深さばかりではなく、面白さもほどよく編集されている。

著者の上原愛加さんは、僕が知らなくても知る人は多いようで、
「魔法のプリンセス レッスンシリーズ」6冊合計で、
すでに15万冊の本を売り、雑誌などでも活躍するエッセイストとか。
ラジオのパーソナリティもされている、売れっ子作家なのでしょう。
だけどそうした事前知識が無くても、この本は確かに面白くて、
本全体の構成やデザインにまで、遊び心が満ちているのがいいのです。

最初に目次がなく、突然語りかけるように始まるお話は、
寓話的な「プリンセスのたまご。」から紹介します。
そして、あなたが幸せになれない本当の原因は、
あなたが閉じこめられている“たまごのカラ”にある!
と断定して、その殻を破る方法をレシピとして紹介するのですが、
このたまごのカラの破り方が、実に深い人生哲学を感じさせ、
そんじょそこらの人生本とは、大きく違うものになっているのです。

☆ たまごのカラをやわらかくする“ふんわりまろやか生活”のすすめ。

☆ ふんわりまろやか生活の柱は、毎日の中の小さなしあわせ時間。

☆ しあわせになるためには、もちろん今、幸せの道を歩くことでしょ。

☆ 幸せになるために、いばらの道なんて歩く必要一切なし。

ここまで前置きをして、期待を一杯にしたところで、
「あなたにバラ色の未来を約束する 5つの乙女レシピ」が始まります。
まるでお茶とお菓子を用意された、暖かい午後のひとときのように、
気持ちよくすらすら読める文章が、バランス良いレイアウトで載っている。
時には絵本のように、そして詩人や文豪の言葉の引用も当を得ており、
なぜ「自分磨き」なんて無用な苦労をしなくてもいいかが、よくわかる。

いつだって、自分自身がなりたいものになってしまえばいいのであって、
誰かと比べた幸福なんて、最初から自分のものじゃないってことに気付けば、
自分が気持ちよくいられることが、自分を幸せに導く推進力になるってこと。
人から押しつけられる既成品の幸福なんて、どうでもいいのであって、
自分の幸福は、自分にしかわからない自分サイズの生活の中にあるってこと。
今すぐに、身の回りに小さなしあわせを見つけ、それを積み重ねることで、
幸せな人生は、自然に形づくられていくという真実の話しなのです。

つまり“たまごのカラ”とは、人から押しつけられる既成価値観であり、
そんなものに自分を合わせるために、いくら苦労してみても、
自分の幸せは見つけられないから、もうおやめなさいってことでもある。
小さな心地よさをいっぱい集めて暮らすことで、人生までが心地よくなる。
さあ、もうわかる人にはわかる話ですが、説明してもわからない人は、
この本を読んでみれば、きっとそれだけで幸せな気分になれるでしょう。
 
 
上原愛加さんの「史上最強の乙女のバイブル」は、↓こちらから。
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