土に向かいて

 

毎日が寒くなって、１１月と共に暖房も始めました。
雨が降って家の中にいると、寒さが身に染みてきますが、
今日のように天気がいいと、田畑での農作業が気持ちいい。
少し高地の山肌では、落葉樹が鮮やかに色づき始めて、
まもなく平地でも、紅葉の季節が近づいていますね！

今日は畑へ出て、大豆などの豆類の刈り取りを終え、
ニンジンの間引きをしたり、最後の小豆収穫をしたり、
滞り気味の畑の手入れをして、気持ちのいい一日でした。
健康であるためには、食を正すことも大切でしょうが、
無理しない程度に体を動かすのも、不可欠の要素でしょう。
健康な精神は健康な肉体に宿る、との教えもありますからね。

体を動かすことを、スポーツすることだと思って、
先立つお金がないと出来ない、と思う人もいるようですが、
全部手作業の自然農で、体を動かして作物を作ればいいのです。
一昔前には、農作業など３ｋとして嫌われたりもしましたが、
今では健康で人間的な生活を求めて、希望する人も増えている。
だけど行政機関は、大規模農家ばかりを助成するから、
新しく個人で農を始めたい人の、いわゆる門戸が狭いのです。

それでも何とか工夫をすれば、方法は必ずあります。
思うようにはいかないことも多いでしょうが、そんな場合は、
自分の目論見や計画の方が未熟なので、なるようにする。
選択できるいくつかの道を見出して、その中から選ぶだけで。
それが自分にとって最適の道だと、理解すればいいのです。
なにしろ初めての道ですから、何が最良かはわからないので、
出来ることをやってみて、次のステップを考えればいい。

自然農に関しても、すでに８年間やっていると、
うまく行くことも行かないことも、経験を重ねます。
すると中には、今まで良いと思ってやってきたことが、
間違っていたと知ることもあって、虚しく思うときもある。
たいした成果がなくて、空虚感に襲われることもある。
それでも自分の生き方をもって、やってきたことであれば、
生き方を貫いている達成感は、必ずあるでしょう。

その中で一番の財産は、やっぱり人の繋がりです。
家族はもちろん、近所の繋がりや仕事の繋がりもあるし、
最近ではインターネットや趣味の繋がりも多いですし、
滅多に会わない人と、それでも価値観を同じくしていれば、
心を強くしてくれる糧になることだってあるのです。
今日また土に向かいて、そんなことを思うのです・・・