平野の星空

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昨日のニュースによると、沖縄の近海で台風が発生したとか。
台風は以前であれば、フィリピン付近の熱帯の海で発生したのですが、
地球温暖化による影響か、近年沖縄近海の海水温が上がっており、
そこで台風が発生しても、まったく不思議でない状況になっています。
沖縄が熱帯なら、九州四国南紀地方は当然亜熱帯になっているので、
これからは植生や生態系も、そのように考えていく必要があるでしょう。

沖縄の海が死に始めたのは、復帰後の経済開発による土砂の流出と、
近年急速に影響が出始めた海水温の上昇、台風が来なくなったことなど、
人為的な経済拡大による要素が大きいのですが、この流れは止まりません。
マスコミに扇動された国民の多くが、相変わらず経済拡大を望んでおり、
政府もそれを計算ずくで、相変わらず自然よりも企業環境を優遇しますし、
儲けることが使命の企業は、しのぎを削って自然環境を破壊する。
こうした構図が修正されない限り、子どもたちの未来は奪われ続けます。

さて、奇跡的に珊瑚が復活している平野の海も、生き物は大幅に減って、
30年前の海の様子を知っていると、命が希薄になっているのを感じます。
それでも毎年この平野に来ていて、まったく変わらない魅力の一つが、
夜の芝生に寝ころんで眺める、美しい星空に浮かぶ星座の広がりでしょう。
日本の中部地方とは、経度にして1時間分の時差がある石垣島では、
夏は8時を過ぎないと日が暮れないのですが、ちょうど夕食後のその時刻、
ビールを片手に芝生に寝ころんで、最初に見える一番星がアルクトゥルスです。

この星が所属する星座が牛飼い座で、僕は牡牛座の生まれでもあるので、
僕は勝手にこの星を自分の星と決めているのですが、それが天頂の一番星。
それから徐々に他の一等星が見え始めると、すぐに二等星も見えだして、
ちょうどすぐ近くにある小高い山当山の端には、くっきり蠍座が横たわります。
すると僕らは、この蠍座を起点に、南の冠、天秤、蛇遣い、鷲、白鳥と探り、
イルカや龍、冠、髪の毛、ヘラクレスアンドロメダなどを探し当てるのです。

今年は最初満月の時期だったので、星座はほとんど見えませんでした。
それが次第に月が欠けると共に月の出も遅くなって、星が見えるようになり、
最後の二日間は、願い事に書いたとおりの雲一つない夜空となったのです。
夜の天空を優雅に渡るミルキーウエイも、くっきりとその輪郭を現して、
僕らは様々な奇跡を、この10日あまりの間に目の当たりにしたのでした。
美しい海と果てしない星空に囲まれて、親しい人が側にいてくれれば、
僕らはこれ以上、何に怯えて軍事力や経済拡大を望む必要があるのでしょう?

あらゆる生命の基本である自然環境を破壊してまで、お金経済を大切にする、
そんな社会が安心安全なものになるはずがないことは、余りにも明確です。
すでに世界中の多くの国で、拡大経済ではない豊かな循環型社会が試みられ、
徹底した差別と破壊を目指すアメリカ型社会に、NOが突きつけられている。
こんな時代に、なぜ多くの日本人が破滅的経済拡大を望むのか?
差別と不安と将来資源の枯渇をもたらすだけの、経済拡大が望まれるのか?
その理由は、そうしないと生活できないと思い込まされているからです。

しかし冷静に世界を見回せば、もっと穏やかな循環型共生社会は可能であり、
ただその道を選択するかしないかの、選択の問題だとわかるのですが・・・