米軍に落とされた鳩山政権

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結果として日本人は、鳩山政権を退陣させてしまいましたが、
これでいかに米軍が日本を牛耳っているかが、明確にもなりました。
軍事力がどれほど強いものかは、平和時にも言えることで、
日米安全保障条約は、日本がアメリカに服従する証でもあること、
日本人には、いまだに自由意志決定権がないことを見せつけたのです。
今日アメリカが、世界で確固たる地位を維持しているのは、
相変わらず、軍事力の威光によるものなのかも知れないのです。

鳩山さんは退陣において、小沢さんを道連れにしましたから、
鳩山政権が抱えた二つの大問題のうち、カネと政治の問題は幕引きです。
となれば尚更のこと、安全保障の問題が大きく尾を引きますが、
はたして菅さんに、どのような具体的な戦略があるのでしょうか?
とは言え、この困難な問題に立ち向かえる人は、他に見あたりませんし、
小沢さんの強い影響力に対抗できるのは、今のところ菅さんだけです。
アメリカといかに戦えるかが、日本の首相に要求される力なのでしょうが、
勘違いして、日本の軍事力強化など言い出す人では困ります。

鳩山政権の後に、菅さんが政権を受け持つことになるとすれば、
米軍との戦略の他に、小沢さんの勢力を押さえる工夫も必要です。
なにしろ選挙に強い小沢さんですから、選挙をする度に小沢派が増え、
気がつけば、また民主党内で最も勢力のあるグループになっている。
このまま勢いを増してもらっては、民主党の癌になる可能性があるので、
ここは一度、すっきりと小沢色を脱した選挙をやっておく必要がある。
だけど今まで小沢さんが準備してきたと言っていい、参議院選挙において、
小沢色を抜け出すのは容易ではないし、それでは勝てないかも知れない。

どう考えても前途多難な、鳩山政権を引き継ぐわけですから、
菅さんはよほどの覚悟をして、政権運営に当たる必要があるでしょう。
だけど菅さんは、今まで何度も挫折しながら今の地位まで来た人なので、
右顧左眄しないで、自分の信念を貫くことの意味を知っているはず。
勢力拡大が得意技の小沢さんか、政策にばかりに生真面目だった菅さんか、
民主党の政治家がどちらを大切にするかが、見物でもあるでしょう。
策士小沢さんは、鳩山さんの後継者に菅さんがなることを容認した上で、
影響力を維持しながら、次期総裁を自分の配下に育てたいと考えれば、
菅さんが誰を次期幹事長にするか、ここが正念場になるでしょう。