「日本の、これから」

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夕食を食べながらテレビを見ていたら、
日本の、これから」と題した番組の一環で、
~ダイジョーブだよね? 若者とニッポン~ 
http://www.nhk.or.jp/korekara/?from=tp_pc01
として、いわゆる草食系若者を取り上げていました。
どんな話か興味もあって、少し見始めたら、
そのまま最後まで見てしまいました。

はてさて、そもそも草食系とはどんな若者か?
草食系男子と言われたときは、性的に積極的でない、
女性を口説くより、趣味に没頭する類の男を言いましたが、
草食系若者とは、また少し違うもののようです。
そこで特徴として挙げられたことを並べてみると、

(1)付き合いでのお酒を飲まない。
(2)車には関心がない。
(3)海外旅行に行かない。
(4)仕事が終わるとすぐに帰宅する。
(5)お金に対して淡泊である。
(6)出世したいと思わない。

こんな感じではなかったでしょうか。
これは考えてみれば、今の僕と似た価値観です。
ただし番組での討論を見ていた限りでは、
なぜこのような価値観が広がってきたかの説明が、
誰もうまく話せていなかったのが気になります。

主に中年以上の人たちは、今までの価値観にしたがって、
経済成長しないと、将来の日本が立ちゆかなくなる!
との前提で、若者たちが経済活動に積極的になることを諭す。
それは韓国や中国の留学生が、よく働くこととの比較でも、
資源のない日本が国際社会でやって行くには、
もっと積極的に頑張る必要があるというものでした。

はたしてそれでいいのか、疑問に感じていたら、
アメリカからの留学生だけは違った見方で、
「日本は国際的な競争ではなく、独自の文化や価値観による、
 独自の地位を築けばいいのではないか!」と言っていました。
僕はこれに共感しますし、世界がこれ以上経済成長を目指して、
さらなる自然環境の破壊を押し進めたら、取り返しがつかなくなる。
むしろ経済を拡大させずに、循環型で成り立たせる必要があり、
その第一人者になることで、役割を担うべきだと思うからです。

出席者の誰かも言っていましたが、この番組の出席者の多くは、
今の社会的価値観で、それなりに成功している人が多いので、
いきおいそうした価値観に疑問を抱いていない発言が主流になる。
だけど現実には、既成の価値観に疑問を感じるからこそ、
物や経済よりも、友人や趣味を大切に考える若者が増えたので、
この価値観の転換こそ、クローズアップさせるべきだったでしょう。
それが経済成長を是認したままの議論で、論点がぼやけたのです。

まだ当分は、何が問題なのかの本質が議論されずに、
具体的な現象を捉えて、古い価値観で検証することになる。
そうである限り、草食系若者はダメな存在として扱われますが、
実際には、社会がまだ対応できていない新しい価値観を具現して、
未来の価値観を垣間見させてくれているのかも知れないのです。