普天間問題の怪々

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昨日、普天間基地問題の解決を求めた沖縄県民大会には、
主催者側の発表で、9万人の人が集まったと報道されました。
読谷村の会場に向かう人々の顔は、真剣に見えます。
今までこうした大会には出席しなかった仲井間知事も、今回は、
鳩山首相の県外移設発言を、後押したいと思ったのでしょうか、
出席して、メッセージも述べています。

「過剰な基地負担を大幅に軽減してほしい。
 日本全国でみれば明らかに不公平で、差別にすら近い印象を持つ。
 全国のみなさんに力と手を差し伸べていただきたい」

これは仲井間知事の本心であり、実に慎重な言い回しです。
多くの自治体長が、米軍基地の絶対反対を唱える中で、
実際に長いあいだ基地を引き受けざるを得なかった沖縄にとって、
この問題が、たとえ総理といえども日本人だけでは決められない、
戦争中毒大国との関係性に、位置づけられていることを知っている。
だからこそ、このようにしか言えなかったのでしょう。

最低でも県外と主張した、その公約に沿って、
 ネバー・ギブアップ、しっかりやってもらいたい。
 普天間の固定化は絶対に許してはならない」

この切実な問題に、どう答えられるのかが鳩山政権の責任です。
当然のことながら、沖縄ではこの問題を大激論していて、
23日には、米軍普天間飛行場返還問題を考えるフォーラム
普天間基地固定化の危機~沖縄の未来は沖縄県民が考える」が開かれ、
内閣官房長官野中広務さん、前県知事の稲嶺恵一さん、
そして元県知事の大田昌秀さんの三人が、討論を行っていたようです。

野中さんは「辺野古沿岸部に移す現行計画が最善」と言いますが、
太田さんは「国と国が決めたからといって守る必要はない。
      県民は国を守る手段ではない」と反論します。

太田さんは沖縄県知事時代から、独特の政治哲学を持っており、
それ故に政府と対立することも多かったのですが、理解は出来ます。
沖縄の平和運動の意味を考える上で、彼の理論の展開は欠かせません。
そして同じ県知事経験者である稲嶺さんの発言こそ、
仲井間知事の心境を、一番良く現していたと言えるでしょう。

「政府が決めたことだが沖縄にボールが投げられていた。
 鳩山さんが少なくとも県外と言った瞬間からボールが政府に行った」
稲嶺さんはこう発言して、仲井間知事の心境を代弁したのです。

さて、今や僕らは固唾をのんで鳩山政権の決断を待っているわけですが、
ここでどうにも「奇々怪々」と思われるのが、大手マスコミの論調です。
僕は新聞をあまり信用しないし、定期購読するほど裕福ではないので、
たまに図書館で見るだけだから、詳しいことはわかりませんが、
漏れ伝わってくる話では、マスコミは鳩山政権ばかり批判している。
どうやって普天間基地を無くすか?をまったく提示できないくせに、
どうしてこの難問に取り組む鳩山政権だけを批判するのか怪々なのです。

日本の全国をカバーする大手マスコミは、いったい誰の味方なのか?
一見沖縄の住民や、徳之島の住民の味方のようなスタンスを取りながら、
アメリカとの交渉で苦しむ鳩山内閣より、アメリカの都合を優先し、
アメリカが怒っている!」などと言って鳩山政権の立場を弱らせる。
僕らはもっと、沖縄県民の気持ちを汲んだ鳩山政権を応援して、
何故日本が、これほど在日米軍に蹂躙され続けられなければならないのか、
問題の本質を考えることから、普天間問題を考える必要があるでしょう。