富山県立大学 卒論成果発表会

イメージ 1

富山県立大学環境システム工学科の、卒論発表会が、
となみ散居村ミュージアムで、行われると聞いたので、
音訳CDを施設に配る用事のついでに、行ってみました。
地下水や自然エネルギー利用に関する研究成果と聞いて、
具体的にどのような内容か、関心もあったのです。

行ってみると、2時間に8人の発表があるようで、
一人15分ですから、けっこうあわただしいのです。
配布されたプログラムを見ると、

前半に、
「休耕田を利用した地下水涵養における流動状況と水質特性」
「休耕田を利用した地下水涵養における水質特性(1)」
「休耕田を利用した地下水涵養における水質特性(2)」
「休耕田を利用した地下水涵養における細菌類の消長」

後半に、
富山県を例にした地方都市におけるヒートアイランド現象の特徴」
自然エネルギーの利用を考えた夏季の微気象緩和実験」
自然エネルギーの利用を考えた融雪実験」
「らせん水車を用いたマイクロ水力発電システムの可能性について」

となっていていました。
前半では主に、休耕田に水を入れておいた場合の涵養研究で、
地下水への涵養スピードが耕作地より遙かに高いと観測されることから、
砺波平野の地下水利用過多による、水位の低下を補える可能性が高いこと、
しかも地下水になるまでに、肥料など化学物質が濾過されるとの報告です。
今でも地下水が安全だと知っただけでも、嬉しかったですね。

ついでに、なぜ休耕田では涵養スピードが極めて高いのかと聞くと、
田んぼは代掻きをすることで、耕盤?が出来て涵養しにくくなる、
とアドバイスの先生から、教えていただくことも出来ました。
僕らの自然農田んぼで水抜けが早いのは、代掻きをしないからかも。
それは地下水にはいいけど、全部の田んぼが代掻きをしないで稲作したら、
大量に水を使うことになるかも知れない!ってことでもあったのです。

そして後半は、地下の温度を利用した地表の微気象緩和実験ですが、
確かに地下1メートル程度でも、温度は比較的安定しているので、
そこに水を循環させれば、地表温度を少しはコントロールできるでしょう。
だけどその循環を、電気を使ったポンプでやるのでは意味がない。
そんなエネルギーを使うより、省エネのエアコンの方がいいのでは?
と思わなくもありませんでしたが、それ以上は追求しませんでした。

ただ最後に発表のあった、らせん水車のマイクロ水力発電システムは、
先日南砺市でシンポジウムのあった、小水力発電のことでしょう。
あれは富山大学のグループが、研究したものだったように思いますが、
同じようなことを県立大学でもやっているなら、うまく連携して、
少しでも効率よく、市民活動で採算の合うシステムを示して欲しい。
最後はそんな要望を述べて、2時間の発表会参加を終わりました。

未来の新しい社会を、どのようなものにしていくのかは、
今の時代に生きている、僕たちの選択に掛かっていますが、
これから社会の真の担い手は、学生や20代の若い人です。
彼らを巻き込んだ議論が、大切だと思っています。