ワールドカフェで語ろう

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鎌仲監督の地元である氷見市に、ヒミングというアートスペースがあり、
そこで鎌仲さんを囲んで、ぶんぶん通信の映像を見ながら語ろう!という、
「ワールドカフェで語ろう◇瀬戸内の海から富山湾氷見へ◇」がありました。
鎌仲さんにも会いたかったし、ヒミングにも以前から興味があったので、
ちょうどいい機会だと思って、ぶんぶん車を飛ばして行って来ました。

ヒミングそのものも興味深いのですが、これはまた別の日に紹介するとして、
今日はそこで行われた、ワールドカフェの様子を紹介しておきましょう。

そもそもワールドカフェとは何か?
「知識や知恵は、機能的な会議室の中で生まれるのではなく、
 人々がオープンに会話を行い、自由にネットワークを築くことができる
 カフェのような空間でこそ共創される」
という考えに基づき、参加する人たちみんなで議論を発展させていく手法。

今回は映画監督の鎌仲ひとみさんと一緒に、祝島から送られてきたびわ茶や、
低農薬みかん、さらには氷見の春を味わうナガラモなどを味わいながら、
みんなでワイワイ話をしようと言う企画だったのです。
予定時間3時間のうち、前半は鎌仲さんが、環境や原発の話をしながら、
撮り貯めてあった映像も見せてもらって、基本的な予備知識を共有しました。

これだけでも、行って話を聞く価値はあったのですが、
参加者はそのあと、3つのテーブルに別れて話を始めます。
今日のテーマは、鎌仲さんからで、
原発のような公共事業に対して、僕らはどう対応できるか」
みたいな問題提起だったと思います。

僕が加わったグループでは、最初は能登半島志賀原発の話が出て、
もし事故が起きたら、氷見市の住民は壊滅的なダメージを受けるだろう。
それなのに、原発建設地だけで大金をばらまいて、住民合意を取り付け、
風下で不安を感じる市民を無視して事業を進めていいのか?との疑問から、
今や許認可制度自体が、機能していないのではないか?って意見。

そこで僕は、原発はもちろんそうだけど、氷見の地元に問題はないのか?
似たような事例で、広域圏ゴミ焼却場の問題を出して意見を聞いてみました。
するとほとんどの人は、そうした問題があること自体知らなかったのですが、
中には事情に詳しい人もいて、大きな焼却炉が必要なのは効率の問題であり、
1トンあたりの焼却コストを安くするには、大型の焼却炉が必要だとの説明です。

まさしく、1トンあたりの焼却コストを安くするために、大型焼却炉が必要だ!
との理屈は、一見正しいように聞こえますが、この失敗例が富山市の焼却炉です。
富山市ではレジ袋廃止などで、市民のゴミ減らし意識が高まってきた結果、
ゴミの量が、予想を大幅に下回っており、大型焼却炉にゴミが足りないのです。
大型焼却炉は大量のゴミを燃やさないと、本来の焼却機能を果たせないために、
わざわざ燃料をプラスして燃やす必要が出てきたとも聞いているのです。

市民が努力してゴミの量を減らしても、大型焼却炉を導入してしまえば
「もっとゴミが必要だ!」ってことにさえなりかねない。いったい僕らは、
これから将来に向けて、ゴミを増やしたいのか?ってことなのです。
もちろんゴミはいくら焼却しても、ある程度の化学物質が環境に出ます。
多くのゴミでは、必然的に環境負荷も大きくなってしまうのは当然なのです。

そうすると、どうして氷見市民はこんな問題を知らされていないのか?
マスコミは毎日膨大な記事を書いているけど、行政の御用記事ばかりで、
市民が知りたいこと、知っているべきことを記事にしてくれない。
こんなことがあるから、市民は政治や行政から心が離れてしまうのだ!
と言った意見が次々に飛び出して、テーブルは一気に活気づいてきました。
さらにここで一石を投じたのが、スーパーマーケットの従事者でした。

基本的にスーパー・マーケットでは、何を買ってもトレイやらパックやら、
ビニールのゴミを持たされてしまうのが日米方式ですが、日米以外の国では、
むしろ必要なものを必要なだけバラ売るするのが、当たり前です。
日本でも30年前には、それが当たり前だったのに、今は難しくなった。
少しでも多くの利益を得るために、少しでも多くのものを売ろうとパックして、
その結果、必要ないものまで買わされているのが、日本の消費者なのです。
こうした根本的な異常を改めれば、ゴミの量は一気に減る可能性もあるのです。

時間はまたたくまに過ぎて、終了時間になった後も、何人もの人が残り、
僕らは自由に声を掛け合って、様々な話題に花を咲かせて時を過ごしました。
鎌仲さんとも久しぶりに話をして、永芳閣の女将平田さんのお顔も拝見。
その他ヒミングのスタッフや、カフェ参加者とも話をすることができました。
やっぱり人が繋がるネットワークが、何よりも大切ですね!