海のパンドラ!

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2月1日に「アバター」を見ていたら、
なぜか「オーシャンズ」も見たくなったので、
千円ならいいだろうと、続けて見てしまいました。
アバター」は確かに3Dの興味もありますが、
命の樹の回りに広がる光景が、なぜか海中を思わせ、
オーシャンズ」の風景も見たくなったのです。

だけど「オーシャンズ」は子ども向けで、
「海とは何か?」との疑問に応えるスタイルで、
ただ多様な海の生き物を映し出す映像が続く。
僕は自分でこれまでに見てきた海の様子を、
特に暖かい地方の海の中の様子を想い浮かべて、
自分なりの物語を紡いで見ていました。

だけどこの自然を映すドキュメンタリーは、
なぜか親身になって命を感じることが出来ず、
むしろ「アバター」のバーチャル自然の方が、
物語に入り込みながら、守りたい気がしました。
なぜかなあ?と考えていたら、やっぱり自分は、
海の中で生きるものではない!ってことが、
親身さを欠いてしまったのかもしれません。

それでも約十年間に、百数十回のダイビング歴で、
マンタもマグロも見たし、イルカとは一緒に泳いだ。
ギンガメアジの大群の中を泳いだこともあるし、
リッチエアーで、水深30mを潜ったこともある。
さらに大きな感動は、素潜りの肌感覚で、
ロウニンアジやマダラトビエイに出会ったり、
ツムブリの群れやハタタテの大群に出会ったこと。

こうして僕の記憶に積み重なった、多くの感動!
海中の美しさや、そこに広がる命の豊かさとは、
まさにナヴィの住むパンドラの美しさそのもので、
豊かな命に彩られた中空世界は、珊瑚礁の海でした。
不思議なくらい、映画「オーシャンズ」よりも、
映画「アバター」に、珊瑚礁の海を感じたのは、
決して3D効果ばかりではなかったのです。

オーシャンズ」では言葉で生物多様性を言うけど、
アバター」ではナヴィの生き方が、命の絆を教える。
鉱物資源を求めて、命の絆を壊そうとする人間こそ、
最強の破壊者であることを、明確に示しながら、
それでも選択次第で、通じ合える可能性があると示す。
この危うい可能性が、僕の心をかき立てるのです。

見終わって僕は、パンドラとしてのオーシャンズを想い、
抵抗するナヴィがいないままに、破壊し続ける人間を、
なんとも悲しい、未熟な存在と思わずにはいられません。
自然界を破壊し尽くせば、必然的に人間も滅びる。
何がオーシャンズで、何がパンドラかわからなくなって、
僕は心から、海のパンドラを守りたく思ったのです。