多田謡子の反権力人権賞

イメージ 1

                 《 ↑ 2006年の記事です。》

「多田謡子反権力人権賞」・・・・なんて、
こんな賞があること自体、知らなかったのですが、
第21回となる今年、上関原発反対運動を続けている、
●「上関原発を建てさせない祝島島民の会」が受賞しました。

《受賞理由》______________________________

  上関原発を建てさせない祝島島民の会は、中国電力山口県上関町の祝島
 集落の対岸に建設を計画している上関原発に対して27年以上にわたり反対
 運動を繰り広げてきました。原発の危険性、放射性廃棄物問題の未解決、再生
 可能エネルギーへの転換への逆行などの原発全体の問題点に加え、天然記念物の
 カンムリウミスズメを含む希少生物の保護、さらには推進派の町長選出のために
 繰り返されてきた不正転入や買収など数々の問題をはらみながら、中国電力
 上関原発建設計画をあきらめず、2008年には公有水面埋め立て許可が出され、
 政権交代しても原発推進の姿勢を変えない民主党政権の下で、中国電力は埋め
 立てを強行しようとしています。このような厳しい情勢の中で、反対運動を続け
 る上関原発を建てさせない祝島島民の会の闘いは、反原発の現在と権力の現在の
 姿を象徴するものでもあり、心から敬意を表するとともに、さらなる闘いの
 発展と継続を期待して反権力人権賞を贈ります。
____________________________________

このほかに、
●辻井義春さん (国労組合員で唯一の組合バッジ着用者)個人と、
●「移住労働者と連帯する全国ネットワーク」
(移住労働者・外国人の権利獲得の闘い)が受賞していますので、
この賞は、個人にも団体にも開かれていることがわかります。

興味がわいてきたので、この賞のことを調べてみましたら、
その受賞歴が、まるで現代社会の問題点を列挙しているようなのです。
http://tadayoko.net/kiroku/list.html

日の丸焼き捨て「被告人」の知花昌一さん、
原子力資料情報室代表の高木仁三郎さん、
死刑廃止運動の免田栄さん、
原発・元六ヶ所村村長の寺下力三郎さん、
「日の丸・君が代」強制反対の根津公子さん、ほか、

こうした個人と同時に、
障害者差別と闘う労働組合の「東京東部労働組合大久保製壜支部
韓国人被爆者支援の「韓国の原爆被害者を救援する市民の会」
沖縄・辺野古の「ヘリ基地建設反対協議会」
違法捜査との闘いの「志布志・住民の人権を考える会」
そして今回の「上関原発を建てさせない祝島島民の会」など、

さらには、海外の人や運動も取り上げ、
グァテマラ・女性団体の「コナビグア」、
イラク戦争反対・「人間の盾」のペギー・ギッシュさん、等々、
実に多様な活動に対して、“反権力人権”の立場から選考されている。

この賞を創設するきっかけとなった多田謡子さんは、
上の切り抜き記事と写真のとおり、若くして亡くなられました。
そして彼女の生前の意志を引き継ごうとして、創設されたものですが
記事にあるように、2006年に資金難から終了宣言をしています。
それが多くの人からの声と寄付により、継続が決まる。
こうした経緯そのものが、この賞の価値に加わっているでしょう。

私利私欲を求めて、権力に群がる醜い人たちの陰で、
へこたれることなく、人権を守る活動をしている人たちがいて、
またその人たちを賞賛する人たちもいる。
こうした事実こそが、どんな大金を掛けた立派な制度よりも、
多くの若い人たちに、勇気とパワーを与えてくれると思います。