戦争による利権

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沖縄の普天間にある、米軍基地の移設を巡って、
県外移設を求める地元住民の声、社民党の声は掻き消され、
辺野古への移設は、政権交代を持ってしても動きそうにありません。
前政権からの政府間協定だから、変えることが出来ないのでしょうか?

マスコミは、不都合なことをはっきりとは言いませんが、
アメリカは60数年前の戦争によって得た利権を、いまだに振りかざし、
日本の制空権さえ完全には手放さず、治外法権の基地を維持している。
この甘い汁の味を知っているから、アメリカは世界中で軍事作戦を展開し、
自分たちの利益に反する国や地域に対して、軍事侵攻を繰り返すのでしょう。

平和だ、人権だ、国際ルールだと、いくら言っていたって、
自国に不利益となれば、平気で軍事力に訴えるのがアメリカだから、
沖縄から米軍基地を無くすことは、世界革命に匹敵するほど難しいのです。
この事実をわかった上で、沖縄の基地問題をどうすればいいか?
自衛隊の海外派兵をどう考えればいいかを、検証する必要があります。

沖縄本島北部の、8300ヘクタールにも及ぶ米軍の訓練場では、
今でも毎日のように、世界中の最前線へ送られる兵士の訓練が行われ、
彼らは日本に生きていながら、日本の法律にさえ従わなくていい人たちです。
さらには軍属、その家族を合わせて2万5千人とも言われる在沖米軍は、
戦争によって得た利権を、決して手放さないと決心しているようです。

今のところ鳩山政権は、まだ確たる方針は持てないようで、
実務を担う防衛大臣外務大臣は、決着を急げば辺野古移設しかない、
そんな雰囲気を醸し出しながら、苦悩しているのが現状でしょう。
鳩山首相は、多極外交によって日本の地位を確立させようとして、
その主軸をアジアに置こうとしていますが、ここには中国があるのです。

将来の日本の在り方を思えば、中国抜きには考えられませんが、
今までのような“国”中心の考え方では、アメリカとの関係が問題になり、
遅かれ早かれ、日本はアメリカと中国の利権の狭間に落ち込みます。
だけどこれをうまく使えば、等距離外交の手段として使うことも出来る。
あるいはEUのように、新しい地域として連帯することも出来る。

様々な思惑で、しばらくは落としどころの見えない沖縄米軍問題も、
20年後、30年後にどんな社会を作っていくかを考えることで、
自民党時代とは違う、可能性に沿った長期戦略があると言うことでしょう。
鳩山政権は国政改革により、世界の在り方を変える可能性があるのです。


(写真は、普天間の米軍へりの様子)