協働への情報整理

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自然の実りをいただく自然農にとって、
田植えの6月と収穫の10月は忙しい季節です。
この時期に、政権交代による様々な動きがあって、
あるいは、環境破壊する上関原発の着工が迫っていて、
NHKの「原発解体」などを見たりすれば、
あるいは日々のニュースを見聞きするだけでも、
言いたいことや書きたいことはたくさんありますが、
それを自分なりに整理して、纏める時間がありません。

そんな中で今僕が直接関わっているのが、
地球ステージや市民講座で自然農を伝えることと、
市民活動としての「協働」に関わるいくつかの試みです。
6月の「男女平等基礎講座」や9月の「Eフェスタ」、
さらには7月の「市町村職員ワークショップ研修会」が、
具体的に取り組んだ、協働の実例と言えるでしょう。
同時に平行して、4月には公募に応募して参加を始めた、
南砺市協働のまちづくりワーキンググループ」と、
8月から参加を始めた富山県の企画として、
「とやまNPO協働チャレンジセミナー」もあります。

そこで最近のニュースに見る政権交代後の政情を、
協働と重ねて考えると、興味深いことに気づきました。
民主党による新しい政治手法には、情報公開が基盤にあり、
様々な困難な状況も、日々実情が伝わってくるので、
自民党政権時代のような、疑心暗鬼が無くなったのです。
今思えば、密室暗闇で政治が決められていた時代には、
問題の本質が隠されて、市民には無力感しかなかったけど、
今は何が問題かを整理しながら、公開され続けている。
まずこの手法こそが、政権交代最大の成果なのです。

翻って市町村単位における、新しい政治手法に関して、
この数年間、「協働」が唱えられてきているのですが、
民主党政権交代のようには、画期的な成果を見せません。
地方自治にとって、市民の意志を実現する体制は重要で、
いわば民主主義の根幹をなすものと考えられますが、
実際には、中央政治の下請けのような活動をしていた。
それが地方の自立が大切だと唱えられるようになり、
ひも付き財政援助が、一括交付金へ変わろうとしている。
この変化に、市町村はどう対応していけばいいのか?
そこに「協働」があるはずなのに、活かされていない。

すでに国政も地方政治も、市民参加の時代にあり、
どのように参加していくかは、情報公開が基本になる。
ここまでは認識を共有していると思うのですが、
この公開される情報の量は、あまりにも膨大なので、
日々の生活に追われている僕らは、戸惑ってしまいます。
何が正しいか、どうすべきかにおいて、自信がない。
そこであらためて大切になってくるのが、公務員なのです。
もともと市町村の職員は、市民のために働らく公僕ですから、
市民が判断するための手助けをし、決めたことを実行する。
市民との協働においては、まず市民が判断できるように、
情報整理をして、提示してみせるのが役割でしょう。

そこで「南砺市協働」と「富山県協働」を比べてみた場合、
すでに数年前から協働に取り組んできた、県の手法は、
たしかに、安定した情報整理と提供のノウハウがあります。
必ず前回話し合った内容を整理して、その上で課題を明示し、
次の打ち合わせまでに、何を考えておけばいいか明確です。
それに比べると、南砺市のワークに参加してみても、
毎回、前回の内容を踏襲しない唐突な内容になっていて、
自分たちが全体で何をしているのか、なかなか見えてこない。
去年田中市政になって、急に市民との協働が課題になり、
市役所に協働課ができても、よく理解できていないのかも。

4月公募を含めて、編成されたワークグループの、
1回目の集まりが7月で、そのときに参加者の多くから、
まず「協働で何を目指すのか」話し合う必要がある!
とされたはずなのに、2回目も3回目もその話は詰められず、
ただ講師の話を聞いて、バラバラと意見が出ただけです。
情報公開には、まず情報整理こそが不可欠でしょう。
すでに情報は公開されるのが当たり前な時代になって、
公務員の役割は、公開された膨大な情報を整理して提示する。
そこで多様な価値観や経験を持つ市民が参加して意見し、
これを纏めて、次のステップに持っていくのも公務員です。
市民と行政の協働において、これが基本ではないでしょうか。

がんばれ南砺市
「市民との協働」は共感するのですが、
まだそのノウハウが覚束ません。