サステナビリティー

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昨夜、10月1日の夜7時から、
砺波市庄川生涯学習センターにおいて、
サステナビリティー ~持続可能な社会を求めて~」
と題した講演があったので、聞きに行ってきました。
これは「となみ青年会議所」が、公開例会として行ったもので、
彼らの公開例会の講演は、いい人選をされることがあって、
それを無料で聞けるのは、とてもありがたいことです。

今回は演題に惹かれて聞きに行ったのですが、
講師の末吉竹二郎さんのことは、何も知りませんでした。
経歴を見ると、彼は鹿児島生まれで東大経済学部を出た後、
三菱銀行に入って、主にニューヨークで活躍し、取締役を経て、
東京三菱銀行信託会社頭取、日興アセットマネジメント副社長、
などを歴任した後、2002年に退社されます。
その後は、国連環境計画・金融イニシアチブ特別顧問として、
現在までに、川崎市鹿児島市の環境施策に関わっておられる。

いわば企業社会のど真ん中で、トップの地位を歩みながら、
最終的には国連で環境問題に取り組むという、エリートです。
こうした企業エリートから、どのような話が聞けるのか?
主催が青年会議所でもあるので、身構えて聞いてしまいましたが、
内容はいたってノーマルに、温暖化に取り組む大切さの話でした。
しかも話の切り口が、市民目線の田中優さんとは違って、
企業人として、なぜ温暖化防止に取り組むことが大切かを、
リスク・マネジメントとして話されたのが、興味深かったです。

温暖化が進めば、やがて様々なリスクを背負うことになる、
それを回避するために早く投資する方が、問題が大きくなって、
取り返しがつかなくなってから投資するよりもリスクが低い。
あるいは、鳩山政権のCO2マイナス25%の目標にしても、
今は実現が難しいと思われる高い目標を設定することで、
国際的なリール作りに参入する道を開くことが出来る、など、
さらには、既成の概念を破る取り組みが必要とされるのは、
企業人として大きなチャンスと見なすべきだと話されました。

これからのまちづくりを、今までのような車中心のものから、
むしろ車を排除して、人がゆっくり滞留できる町にすることで、
経済活動まで含めた活気あるものに出来るとする話などは、
僕らがいくら意見しても聞かない、高岡市職員に聞かせたい。
総じてその内容は、僕らが普段から言っていることばかりで、
それがこのように、企業行政のトップが話し始めていたのです。
考えてみれば、僕が最初に環境問題に熱心になったきっかけこそ、
1999年、国連環境計画による環境悪化の警告だったのです。

そんなことを考えながら、家に帰って遅い食事をしていたら、
温暖化が必ずしも気温上昇となって現れるわけでないメカニズム、
いわゆる海洋温度の上昇と、それに起因する異常気象のことが、
テレビのニュース番組のレポートとして、報道されていました。
南方海上での高温化は、大量の水蒸気を立ち上らせて、
それが気温上昇ではない、記録的な豪雨になると言うのです。
末吉さんが言うように、温暖化は加速度的に進行している、
だからこそ、高い目標設定による取り組みが不可欠なのでしょう。


写真は、すでに海水温の上昇で珊瑚が死滅し始めている、
石垣島マングローブの様子を撮ったものです。