市議会議員の通信簿

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富山市議会議員で、市民活動をされている志麻愛子さんが、
相模原市議会議員の『通信簿』を作って話題になっている、
相模原市議会をよくする会」の赤倉昭男さんを招いて、
市民による議員評価の話をされると聞いて、行ってきました。

僕も「市民の政治参画プロジェクト」に参加していて思うのは、
選挙のとき以外、市民はあまりにも議会や議員活動に無関心で、
彼らが普段どんな活動をしているか、まったく知らない。
したがって多くの議員は、選挙のときだけ頭を下げて回り、
当選すれば公約も忘れて、偉そうに笑って任期を満了して終わる。
この状態をなんとか改善するために、どんな方法があるのか?
一つの具体例として、話を聞いてみたかったのです。

赤倉さんの話によれば、この通信簿はすでに8年以上続いており、
議員個人の実名を出して、Ⅰ.公約編、Ⅱ.観点編、Ⅲ.総評編、
と詳細な内容を書き記してあるとのことで、見本も見ました。
公約編では、立候補時の公約をどれだけ実行しているか?
議会での質問回数や、公約に言及した回数などがチェックされ、
観点編では、「調査・説得力」「行政チェック度」「議場での態度」
「議会改革姿勢」の4項目が、ABCD評価されて明記されます。
そして総評編では、「自己陶酔型の質問にはウンザリ」とか、
「ベテランの父を継ぐ二世議員、新鮮さが見えない」と辛辣です。

それでは彼らが、どんな議員を望ましいとするかを見ると、
【望ましい議員】
 (1)首長提出議案の内容が完全に理解できる。
 (2)諸法律の知識を持ち、条例・法規の作成能力がある。
 (3)特定・専門分野の企画政策立案の能力がある。
 (4)質疑・討論など言論展開の力がある。
 (5)行政への批判精神を持つ。
 (6)シッカリした主義・主張、哲学を持つ。
【ダメな議員】
 (1)特権階級意識を持ち、行政職員や市民に威張る。
 (2)首長の与党に徹し、何でも賛成する。
 (3)議員個人の考えを持たず、会派の言いなりに動く。
 (4)関係業界や支持者の利益代表として動く。
 (5)議会で一般質問や討論を行わない。

とまあ、まるで当たり前のことが並べられています。
つまりは、いかに議員がお粗末であるか推して知るべしで、
実際に評価を見ても、どうして議員なのか疑いたくなる人もいる。
そんな人を選ぶ有権者が悪い! マスコミが悪い!と言って、
じゃあどうすればいいかの試みが、さらに問題の深みを見せます。
市民意識が高まらないと、議員の質も良くならない!となる。
実際にこの『通信簿』を出し始めてから、議会はどうなったか?
と聞いてみましたら、議場で居眠りする人こそ減ったけど、
議員の質は、さほど良くなったようには見えないとのことでした。

ずっと話を聞いていて、一つ気になったのが民主主義の根幹、
議員が市民の声をいかに汲み上げているかが、評価されていない。
僕らが高岡を舞台に「政治参画」や「まちづくり協働」で言うのは、
市政においては、議員が市民と行政のパイプ役になるべきなので、
議員は常に市民の声を聞き、市民の将来あるべき姿を考える!
この一点が評価項目に入っていないことの、不満を指摘しました。
すると赤倉さんはすぐに理解していただき、項目に加えるとのこと。
市民の声が議会に届くようになれば、民主主義は育つと思うし、
こうした市民の意見交換、議員との意見交換がもっと活発になれば、
それによって、政治の姿も自然に変わっていくと思うのです。

このあと志麻さんたちは、富山市議会をよくする会を立ち上げ、
議員の通信簿まではいかなくても、傍聴録から始めるようです。
僕も関心はあるのですが、富山市は遠いので参加しません。
それでもこうした市民レベルでの、政治に対する関心が深まり、
様々な活動が広まるようになれば、繋がることも出来るでしょう。
また一つ、富山県内に楽しみが出来ることを喜んで帰宅しました。


相模原市議会をよくする会のHPは(↓)こちら。
http://yokusurukai.hp.infoseek.co.jp/