「中国人ご一行様からクレームです!」

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昨日のシンポジュウムでは、
中国の内モンゴルで滞在学習をした生徒たちが、
自分が何も知らないことに驚いたって話をしましたが、
それは学校で教えてくれない文化の違いによるものです。

この異文化との出会いによって、好奇心が刺激され、
自分が知っているものとは違う常識があることで、
生徒の視野は、一気に広がるわけですが、
この異文化との出会いは国内でも起こります。
いわゆる、日本へやってくる外国人との出会いで、
特に隣国中国人のことは、僕らは意外に知らないのです。

ちょうどそうした事情を一冊にまとめたのが、
コラムニスト伊藤雅雄さんの著書で、
「中国人ご一行様からクレームです!」というもの。
表紙のサブタイトルに書いてあったのが、
「中国人観光客とうまく付き合うためのヒント」でした。
ツアーガイド、運営会社、参加者などから情報を集め、
30以上の具体的なトラブルの実例を紹介して、
それを習慣や価値観の違いとして考察しています。

時間にルーズ、電車に乗れない、床にゴミを捨てる、
食物を持って店に入る、列に並ばない、大声で騒ぐ・・・。
読んでいるとわかるのですが、これらは全部、
根本的な価値観の違いではなく、生活習慣の違いなので、
それを理解してもらうと、むしろ日本を好きになる!
少なくとも、理解できないようなことではないとわかります。
そもそも整然と列を作って、黙々と時間通りに動き回って、
ゴミを道路に捨てない日本人は、人間としてどうなのか?

考えてみれば、日本だってちょっと昔までは、
全体にもっとゆっくりと時間が流れていたわけで、
沖縄などでは、今でもゆっくりとした時間が流れている。
細かいルールも臨機応変で、人間的応用が利いていた。
乗り物もゆっくりと走って、それは気持ち良かったのです。
正確に分単位で動く電車や、人のいない自動販売機は、
合理的で便利かも知れないけど、好きではない人も多いし、
望みもしないのに、そうさせられている人は多い。

そう考えたら、はたしてどちらがいいかわからない。
ただ違う価値観や生き方があるなかで、僕らはそれを選んだ?
と言うことになっているけど、はたして本当に選んだのか?
人々が大量消費社会システムの犠牲になっているのでは?
と考えることも、可能だとわかってくるのです。
異文化を知ることは、自分を知ることでもあるので、
積極的に海外へ行けない人、外人と友達になれない人には、
こうした本を一読してみるのも、興味深い経験になるでしょう。

今まで意識していなかった、日本人の習性や姿を知って、
あらためて、なんだか健気で真面目な日本人が、
可愛く、いとおしい存在に思われたりするかもです。
一歩進んで、新たに気持ちよく生きる方法を考えるのも、
なかなか乙な、楽しいことだと思いますよ♪


伊藤雅雄さんの「中国人ご一行様からクレームです!」は、(↓)こちらから。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/438405534X?ie=UTF8&tag=isobehon-22