「ワープする宇宙」メモ

イメージ 1

NHKの特集番組「未来への提言・異次元は存在する」
これで一躍有名になったリサ・ランドールが書いた本です。
物理学の素人にもわかるように、数式を使わずに書かれた、
それでいて現代物理学の最前線の様子がわかる本ということで、
「ワープする宇宙(5次元時空の謎を解く)」を店頭で見つけ、
2,900円という高額にもかかわらず、購入したのが去年の夏。
夏の間に半分は読み進んでいたのですが、専門用語が難しくて、
しばらくそのまま、ベッド脇の棚に置いたままになっていました。

ところが秋になって、日本人物理学者がノーベル賞を取り、
その基礎となった「自発的対称性の破れ」が話題になってきて、
これが「ワープする宇宙」に書かれていたのを思いだしたのです。
そこであらためて、この一点に絞って調べ、多少理解してみると、
本の後半が読めるようになった気がして、読書を再開しました。

素粒子物理学の標準モデル・・・物理学の最も基本的な構造
★対称性・・・なくてはならない調整原理
素粒子質量の期限・・・自発的対称性の破れとヒッグス機構
★スケーリングと大統一・・・異なる距離とエネルギーの相互作用
★階層性問題・・・唯一の有効なトリクルダウン理論
★超対称性・・・標準モデルを超えた飛躍

ここまでが素粒子物理学の話で、次がひも理論の話、そして
余剰次元宇宙の提案」となったところで、再度中断をしました。
今回は内容の難しさというよりも、時間が必要だと感じたのです。
これまでに読んできた、パッセージ、余剰次元、階層性問題など、
単なる知識でなく、自分の物にするには、何かが必要だったのです。
その何かが、先日参加した自然農の勉強会で見えてきたので、
残っていた続きを、一気に最後まで読み終えました。

この本には、なにしろ現代物理学が辿り着いている地平と、
そこで課題になっている、未知の領域までが書かれていますので、
素人の僕には、いくら平易に書かれていてもわからないことは多い。
それでも内容には共感するところが多かったのは、不思議な話で、
社会的なことであれ、文化的なことであれ、何か行き詰まったとき、
この本の内容は、乗りこえるための示唆を与えてくれる気がします。
今の僕には、本の内容をまとめて伝える力もありませんが、
読んだ途中インスピレーションで書き留めたメモを紹介します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あらゆる物の在り方には、視点を変えないと見えない余剰次元があり、
切り口を変えてみるなら、全く違う価値判断さえ可能であるとしても、
このあらゆる余剰次元は、それぞれの階層性をバネに安定を保つので、
すべては必ず関連性や双対性をもって存在していると言える。

それゆえ、現象のすべてを把握することは限りなく不可能にも関わらず、
ある特定の次元で起きている現象を追求すれば、普遍的なことがわかる。
これが、今まで物理学が不完全でも世界の現象を説明できた理由であり、
なおかつ今でも説明しきれない領域がなくならない理由でもある。

あらゆるものが、量が過剰になると性質や意味までが変容することは、
社会学的にも文学・文化学的にも、すでに認められていることですが、
この変容への分水嶺をあらわすものが、階層性にあるのかも知れない。
だとすれば、文系も理系も違う次元で同じ課題を扱っているとも言える。

僕らは常に真実を求めてはいるけど、それは言葉にしても数式にしても、
余剰次元の存在なしには説明できないし、余剰次元は表現できないから、
かならず追求し続ける行為そのものにしか、真実は存在し得ないのです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

こうした本を読んだり、真理を求める勉強会に参加したりすると、
やっぱり人生は面白い!と思わずにはいられないのです。



リサ・ランドールの「ワープする宇宙」は、(↓)こちらから。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4140812397?ie=UTF8&tag=isobehon-22