農林漁業の求人ラッシュ?

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北日本新聞に「農林漁業の求人ラッシュ」
と出ていたので、気になって読んでみました。
どうやら失業者の受け皿の一つとして、
農林水産業界での求人が、日本全国で、
2000人近くに増えているというのです。

以前であれば、求人しても人が来ない分野が、
今では、仕事さえあれば応募してくるのだとか。
介護、タクシー、飲食店などの業界ばかりか、
地方回りの劇団などで、給料は安くても、
三度の食事と住む場所があれば、応募してくる。
それなら農林水産だって!ってことでしょうか。

これで産業構造が、製造業からサービス業へ、
転換する一環とだけ捉えられても、困るのですが、
まずは過剰な工業生産に従事する人が減り、
残る人たちもワークシェアするのはいいことです。
なにしろ、今までよりも少ないお金で暮らす人が、
大幅に増えるだけでも、ありがたいのです。

この20年の、金融マネーによる経済の拡大は、
人を幸福にする以上に自然環境や社会環境を破壊し、
資源の浪費は、人類の将来を脅かすまでになっている。
この破壊活動を止める、一番有効な方法が経済縮小で、
縮小した経済で、分かち合うシステムが必要なのです。
ただしこの場合、何でも買ってくるわけにはいかず、
必要なものは自分たちで生産するのが基本です。

生活に最も必要な食料生産に人が移行するのは、
あまりにも当たり前のことなので、いいのですが、
一つ気になることもあるので、書いておきます。
それは、就職しない生き方もあるってことで、
自給自立的な農作業による生き方もあるってこと。
これを忘れないでいただきたいのです。

そもそも、生産を拡大することを善しとせず、
循環型の社会を目指す、新しい生き方では、
経営に組み込まれる就職を、避けたかったりする。
農林水産の求人が増えるとは、その意味では、
かならずしも諸手をあげて喜ぶわけには行かない。
もっと根元的な、価値観の転換が必要なのです。

戦争や貧富の差に繋がる、経済拡大ではなく、
いのちを持って生きる幸せを、全うできるように、
どのような社会がいいのかを、考え直す。
お金に頼りすぎない、いのちが健全な社会を、
これをチャンスに、育てていければと思うのです。