始まった大転換

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ここしばらく忙しくて、あまりニュースを見ていませんでしたが、
馬鹿げた膨張をしていた金融マネーは、ようやく萎み始めたようですし、
膨大なエネルギーを消費する企業は、行き詰まりを見せ始めたようですね。
不況だと大騒ぎする人もいるようですが、少しは現状を理解していた人なら、
子どもたちの将来を破壊する間違った繁栄に、ようやく歯止めが掛かって、
実際にはホッと一安心している人も、多いのではないでしょうか?

アメリカは来月の大統領選挙で、オバマさんが大統領になったあとは、
米帝国の尻尾を引きずりながらも、新しい社会の模索が始まるでしょう。
ヨーロッパはすでにEUの枠組みの中で、ある程度の自給自足を達成し、
もう余計な金融マネーに振り回されたくない、と考えているかもしれません。
いわゆる後進国と呼ばれる国々は、金融マネーの恐ろしさを知っているし、
もう二度と破壊的なマネーに振り回されたくないと思っているでしょう。

こうしたことは、すでに1970年代には研究者の間で意見が出され、
1980年代になると、様々な予見と警告が出されていたにもかかわらず、
やがてソ連邦が解体すると、資本主義こそ正しいと誤解されてしまいました。
実は崩壊始めたのは、イデオロギーや特定思想による大国主義そのものであり、
膨大なエネルギー消費による、大量生産・大量消費社会そのものだったのです。
アメリカはソ連の二の舞を恐れ、世界中でエネルギー資源の略奪を進めます。

1990年代には、グローバル経済というお呪いがもてはやされて、
金融マネーが、世界中の伝統的な地域経済社会を破壊しながら膨らんでいく。
実際にはありもしないマネーが、信用取引という信仰で天文学的に増えると、
人々は助け合って衣食住を賄う暮らしを忘れ、マネーのために働くようになる。
額に汗する労働は嫌われ、拝金教の教祖が憧れの対象になるいびつな社会だ!
やがてこうした価値観に疑問を持つ人が増え、生活を見直す運動が始まります。

2000年代になると、金融マネーがアメリカの思うようにならなくなり、
世界の富が自分たちに集まらなくなってきたのを見て、テロとの戦いを宣言。
言うことを聞かずに逆らう国々に最強の軍隊を派遣して、資源独占を計ります。
ところがこれも、最初の数年はテロに対する恐怖心から協力的だった国々が、
アメリカが演出した世界戦略の一環だと気付いて、協力しなくなるのです。
大国は行き詰まりドルは信用を無くし、帝国崩壊は時間の問題だったのです。

こうした事情をマスコミは報道しませんが、多くの人は気付いていました。
マネー信仰ではない、来るべき新しい社会の姿を模索する人が徐々に増えて、
スローライフや地域社会の助け合いが見直され、自然の大切さが見直されます。
僕らが取り組んでいる、生き方としての自然農も、こうした流れにあるのです。
したがって今回の世界全体での不況や、生産力の低下は予期されたことで、
世界的価値観と実生活の大転換が、ようやく始まったと考えればいいのです。

うまく行けば、まもなく大米帝国の時代は終わり、新しい時代が始まります。
その新しい時代をどのような社会にするのかは、私たちが選択するしかないし、
そうした試みは、すでに世界中で始まっていて、日本でも例外ではないのです。
大量のエネルギー消費社会を、海外に軍隊を派遣しても維持しようとする試みは、
アメリカの失敗によって、誰も叶わないことだと認識されてくるでしょう。
小さなエネルギーを自給自足して賄い、他者に迷惑をかけない社会を作る!

食とエネルギーとサービスの自給自足を原則に、福祉国家を目指していけば、
そう大きく間違えないことは、すでに世界中で共通認識とさえなっているのです。
そのためにこそ、人権と平和を謳う日本国憲法は未来世界の指針ともなるでしょう。
身の回りから世界中のあらゆる命あるものに畏敬の念を持って、八百万の神とする、
こうした日本古来からの価値観こそ、新しい世界の秩序を築く基礎ともなりえる。
僕ら日本人は誇りを持って、新しい社会作りに貢献していけばいいのです。