民意不在の政治

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去年の9月に続いて、昨夜また首相が辞任してしまいました。
8月に内閣を改造してみたものの、何一つ思うように決まらないで、
もう自分の力では政治運営が出来ないから、新しい人に託すのだとか。
国会が始まってからでは、政治空白が出来て国民に迷惑がかかるから、
今の時期に辞任するのが適当だと、判断したのだと説明されました。

政局が行き詰まって、何一つ思うように行かなくなった原因は、
言うまでもなく、小泉政権の無謀な経済政策と政治運営に始まって、
数にあぐらをかいて戦争へ突き進もうとした、安倍強権政治に対する、
国民の強い不信が、去年の参議院選挙で野党を躍進させたことにあります。
これ以来、いわゆる衆参ねじれ国会が始まって、まず安倍政権が倒れ、
その後何一つ事態が変わらないまま、今度は福田政権が倒れました。

どうせ身動き取れずに倒れるなら、同じことをくり返していないで、
国民の意思を問う解散総選挙をしないと、何も変わらないと思われます。
それなのに福田首相は、選挙をして自民党による政権を失うのが恐いのか、
これだけ国政運営が滞りながら、民意を問う解散総選挙を選択出来ない。
平和憲法を変えてまで軍国化を目指した、安倍政権の亡霊に悩まされて、
さらに新しい理想を見出すことも出来ないで、月日を無駄にしている。

政治空白を作らないために辞任すると言うけど、すでに政治は空白で、
そうまでして廃案に出来ないイラク支援特措法とは、いったい何なのか?
まるでこの法案が通らないと、アメリカ軍に攻撃されるかの如き狼狽ぶりで、
ついには2代の内閣総理大臣が辞任しても、この先の目処が立たないのです。
さらに深まる疑惑として、なぜそうまでして政権に執着するのかと考えると、
よほど何か、アメリカとの深刻な密約があって、政権を他者に譲れない?

かくして解散総選挙による国民の意志を問うことも出来ないままに、
日本国の政治は迷走状態を続けながら、借金だけが膨らんで行くのです。
この混乱を収拾するために、さらに強い権力による事態収拾を望むならば、
かねてから助走段階にある国民管理の軍事国家へ、突き進む危険があります。
これを自由な民主主義国家として、本気で新たな解決の方法を求めるなら、
密約を排した情報公開による問題点の明示と、民意を問う選挙が必要です。

これらは否定出来ない明らかなことだと思われるのに、福田首相は、
やはり解散総選挙ではない、辞任の選択をしてしまったと言うことです。
解決すべきは、ねじれ国会や景気低迷ではなく、日本の政治の在り方でしょう!
じわじわと露見する密約による政治など、もう時代遅れだと認識してもらい、
公のことは常に情報公開によって議論し、民意を問う態度が大切です。