4000億円の災い

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昨日は高岡のウイングウイングで、政治参画プロジェクトの三つのネット、
国会ネット、県議会ネット、高岡市議会ネットの合同開催が行われました。
議員側は、村井宗明衆議院議員森田高参議院議員、柴田陽子県議会議員
川島国市議会議員、梅田信一市議会議員、以上5名に参加をいただき、
市民側からは主催者である「シャキット富山35」のメンバーを中心に、
およそ20名の方々が参加されて、2時間に渡る意見交換がありました。

前半は前もって提出されていたテーマで、4つの提案と議員側からの意見。
(1)「選択的夫婦別性制度」について、「ななの会」の塚本さんから、
(2)「国民保護法」について、「平和をつくる富山県連絡会」の伊藤さんから、
(3)「男女平等政策」について、「シャキット富山35」の山下さんから、
(4)「後期高齢者医療制度」「道路特定財源制度」など、現在の政治諸問題を、
   これは「ベアテさんの会」の北条さんから、それぞれ発言がありました。

僕は今回スタッフどころか、事前準備をする時間も余裕もありませんでしたので、
後半になってから、市民感覚と議員感覚が離れてきていることに関して、
なぜ現代の政治行政が目指す将来像がわからなくなっているのかを問いました。
これに関して、主に村井さんと森田さんから様々な話を聞かせてもらいましたが、
中でも強く印象的だったのが、なぜ多くの市民が望む福祉や医療よりも、
道路行政がこれほどまで重視され、議員は道路予算確保に真剣になるのか?
ここで聞かせていただいた話を、どうしても書き残しておかなければなりません。

「議員の一番大きな収入は何か? それは道路建設業界からの献金です」
この一言を皮切りに、国政と地方行政を共に蝕んでいるものの正体が話されました。
政党無所属議員に関しては、個人に対する企業からの政治献金は無いのですが、
自民党民主党には4:1の割合で、一年間に4000億円の献金があって、
これが全部、国会や地方議員の収入源になっているから、道路族は真剣になるし、
たとえ道路族でなくても資金は提供されるので、次第に誰も反対しなくなる。
この金額は、公共工事による道路建設の、5~6%として定着しているとのこと。

なるほどこの国の政治は、道路工事業者による与野党かまわぬ献金によって、
今は、自民党4:民主党1で受け取っている献金が、たとえ与野党逆転しても、
民主党4:自民党1に変わるだけで、道路行政は何も変わらず続くと言うのです。
これを聞けば、このところ目立つ道路族議員の余裕の発言にも納得がいくし、
民主党員であっても、平気で道路建設費を擁護する議員の強気もわかるのです。
彼らはまったく、この国の将来あるべき姿を考えて判断しているわけではなく、
ただひたすら自分たちの利益、それもお金のことしか考えていないのです。

日本の年間道路予算は、EUの年間道路予算を全部合わせたよりも多く、
国家予算における割合は、世界で群を抜いて高いのではないかと聞いています。
さらには道路予算を巡る問題で、死者まで出ていることは多くの人が知っている。
しかしこの問題がマスコミに取り上げられることはないし、司法には掛からない。
膨大な利権の渦の中で、すべては闇に葬られるのがこの国の政治の現状なのです。
かくして農作業に必要な農道まで、アスファルト舗装のスーパー道路になった。
自分たちで普請もできず、農作業する横を高速で車が走る農道の何がいいのか?

現代の日本における一番の政治問題と言えば、それは政治不信そのものでしょう。
誰も納得できないような制度や法律を、御用学者と利権政治家で決めてしまう。
パブリックコメントを重視すると言いながら、マニュアル対応しかしていない。
富山県では先頃、230億円もかけた道路事業が、30分の審議委員会で可決。
地元の住人がいかに反対しようと、県議会議員が不審に思おうと関係ないのです。
道路族のドンである古賀議員は、医療や福祉を大幅に縮小させて不安を煽り、
この解決のためには、増税が必要だと言い始めるほど厚かましいのです。

今年は秋に衆議院選挙がある可能性が高いのですが、マスコミだけを見ていると、
自民党政権民主党政権に変えることで、政治が変わると思っている人が多い。
だけどこの、4000億円の毒は、そんなに生易しいものではないでしょう。
しかしそれでも、国会のねじれ現象で、今まで見えなかったものが見えてきた。
この揺り動かしそのもので、新しい政治の在り方を探っていくしかないのです。
くれぐれも、国の将来よりも利権優先の候補者などに、投票されませんように!