政界ドラマ「CHANGE」

去年の参議院選挙で、改憲を唱えた自公政権が惨敗したあと、
年金、社会福祉、医療、財政、の諸問題は、解決するどころか、
ますます先行きの見えない、不安な政治状況が続いています。
テレビでは政治問題が、バラエティーの主役になり始めて、
お笑い芸人が政治にコメントをして、支持率を上げています。
それどころか、バラエティーの出演者が政治家にもなっている。
表面的すぎて危ういけど、政治への関心は高まっているのです。

世界の政治情勢も、この数年で大きく方向が変わってきており、
折しも今年は、4年に一度のアメリカ大統領選挙の年でもあるし、
ちょうどその頃には、衆議院選挙もあるでしょう。そんな背景に、
フジテレビでは、政治ドラマ「CHANGE」が始まりました。
昨夜はその第一回目を見ましたが、けっこう面白くできている。
木村拓哉はやっぱり魅力的だし、劇画っぽい筋立ても面白い。
そもそも今の社会で脚光を浴びているのが、政治だとすれば、
こうしたドラマは、作られるべくして出来たのでしょう。

彼はインタビューにこう答えています。
「政治そのものも国会議事堂の中にいる先生たちのためにあるものではなく、
 僕らのためのものじゃないですか。だから、まずは僕らと同じ目線の人たち
 に見てもらって…その延長として、なかなか声の届きにくい、気持ちの届き
 づらい僕ら一般国民の思いが、少しでも政治家の方々に伝わったら、この
 ドラマをやった甲斐があったと思うんじゃないでしょうか。」(木村拓哉

木村拓哉も劇中の朝倉啓太も、最初は政治に無関心です。
それが徐々に関心を持つ過程に、市民が共感する何かもある。
二世議員として登場するところに、不自由さは感じるけど、
よくあるパターンから始めたことで、現実味も感じるのです。
先日から各地で「9条世界会議」が大成功となっていますし、
7月に開催される東京平和映画祭も、規模拡大が決定している。
今年初めに予感した通り、今年は確かに何かが変わりそうです。
と言うか、もう変わらなければならない時なのでしょうね。

それなら、どこへ向かって変わればいいのかが重要なので、
たとえば道路特定財源を、ただ一般財源化すればいいのではない。
道路や軍事費よりも、医療や福祉が優先することが大切なのです。
正直のところ、最近のテレビに見る政治話は上っ面ばかりで、
具体性にも乏しければ、説得力があるような理念も見えません。
それでも、多くの人が政治に関心を持ったのは一歩前進だから、
この流れを見失わずに、議論が深まることを願っています。