高速交通網整備の謎

先日マスコミ報道で、薬害被害者を全面救済する場合5千億円掛かると聞きました。
そうか、政府は財政改革のために予算がなくて、このおカネが出せないのか!
と思っていたら、翌日には石破防衛大臣が、ミサイル打ち上げを得意げに見ながら、
この防衛システムに掛かる1兆円は、人命を守るためだから高くない!と発言される。
仮想攻撃に備えるミサイルになら1兆円が支払えて、国の失政による薬害被害者には、
今現に苦しんでいるにもかかわらず、その半額のお金さえ支払えないと言うのです。

この判断を腹立たしく思った僕は、市井の人々はこれで納得するのかどうか?
意見を聞いてみたくなって、久しぶりに、自分のブログに投票を設定してみました。
そしてこの選択肢を考える時に、現在急いで取り組むべき政治的課題は何かと考えて、
普段から僕が考えている、食とエネルギーの自立による地方自治の確立を加えました。
と同時に、現実の政治で重要課題にされている高速交通網の整備を加えておきました。
この高速交通網の整備だって、どれほど望まれているのか疑問だったからです。

そして、まだ、投票二日目ではありますが、
少し思うことが出てきたので感想を書いておきます。

ミサイルより被害者救済!とする考えが主流になるのは当然として、それ以外の選択で、
高速交通網の整備を挙げる人が、今のところ一人もいないことに驚いているのです。
何故って、たとえば僕の住む富山県では、新幹線や高速道路とその周辺整備が大切で、
これによって便利になるとか、経済効果が高いとか、行政はいいことばかり言っている。
だけど僕のような貧乏人は、こんな高額なおカネの掛かるシステムを利用する気はないし、
不審者の増加による治安の悪化や、地域での自給意識が薄れることを恐れているのです。

来年開通予定となっている、中部圏と繋がる高速交通網一つを取って考えてみても、
僕自身はどう考えても利用する予定はないし、さらに来年ガソリン代が上がっていけば、
おカネのある人だけが、たいした用もなく、必要もなく環境汚染しながら走り回り、
せっかく安全安心だった砺波野の暮らしも、不審者の増加で物騒な状態になるでしょう。
まちづくりにしても、車優先の町から、歩行や自転車で安心できる生活環境にして欲しい、
そう思うのに、行政は相変わらず市民の要請だとして車優先のまちづくりをしている。

いったい行政にとっての市民とは誰なのか?
土木業者と高エネルギー消費産業の従事者だけなのか?

それ以外の人には、今後のピークオイルと合わせて考えても、ますます必要なくなる、
ひたすら無駄な予算を使うだけの、この高速交通網の整備に関してなぜ賛成なのか?
それを聞いてみたいと思っていたら、だれもこれを必要だと思っていないようなのです。
だけど現実の予算おいて、この整備事業にいかに多くの金額が使われており、
それと引き替えに、逼迫して予算を必要としている弱者救済がないがしろにされている。
今回の投票経過から、早々と、期せずしてそんなことを感じ始めているのです。

あらためてもう一度、いや何度でも言いますが、将来に向けて必要なのは地域自立です。
そのためにやらなくてはならないのが、地域における食とエネルギーの自給であり、
高エネルギーを消費しなくても、安心して暮らせる、小さなエコ社会の確立なのです。
当然ですが、まちづくりだって、車優先から人優先にシフトしなくてはなりません。
こうした将来ビジョンに向けての政治的予算であれば、まだ納得できるのですが、
この国の予算は、国政から地方自治まで、将来を見据えているとは思えないのです。