杉浦ひとみさんと5時間

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岡女性の会連絡会が主催された催し、
「女性とまちづくり地域会議2007~
   政治・女性・しごと」
この基調講演に、杉浦ひとみさんが来られると聞いて、
これはどんなお話をされるのか、聞いてみたくて参加しました。

杉浦ひとみさんは、軍隊を持たない国コスタリカの紹介で、
今年の東京平和映画祭アフターイベントにも見えていましたが、
お忙しそうで、そのときはほとんど話が聞けなかったのです。
それがたまたま、自衛隊の駆け付け参戦を公然と主張する国会議員、
ヒゲの佐藤参議院議員を糾弾する記事を書いた時にリンクして、
へえ~、この人はそんな市民活動をする人なのだと知ったために、
その後も注目していたので、一度話を聞いてみたかったのです。

まず、午後1時から始まった基調講演は、
「女性の手で社会(政治)を作り直そう」と題する話でした。
自らが結婚して出産後に、家事をしながら弁護士資格を取ったこと、
だけど弁護士では、後手後手に個人を助けるだけなのだと気付いて、
多くの人を助けるには、立法府である議員にならなければ難しい!
とまで考え、夏の参議院選挙に立候補した話など、
自分の体験に基づいて、女性の政治参画の必要性を話されました。

男性でも理解者はいるだろうに、なぜ女性でないとダメなのか?
あるいは、女性でさえあれば誰でもいいと言うことなのか?
こうした普段から常につきまとっている疑問に対する答えの中で、
印象的だったのは、障害者の両親から話を聞く体験から学ばれたこと。
男親はすぐに行政側の説明を納得して、受け入れようとするのに、
女親は行政の都合に関係なく、ダメなものはダメだと食い下がる。
こうした女性特有の、いのちに対する感覚の有効性は納得できます。

また最近話題になることが増えた、DVの話などは、
周囲から冷静に見ていると、早く逃げれば良さそうなものを、
のっぴきならないまで暴力を受け続けるのは、無気力になるからで、
これは本人の自覚に任せるのは難しいから、周囲で助ける必要がある。
等々、自分の参議院選挙立候補の時と照らし合わせながら、
人間は時として、怖くても腹をくくらなければならない時がある!
と話されたのも印象的で、参加者を勇気づけられていました。

これだけでも十分に話を聞きに来た甲斐はあったのですが、
そのあと、高岡市で様々に活躍されている三人の女性を加えて、
「多様な社会へのスマイルアプローチ」とのディスカッションがあり、
ここでも杉浦さんは参加されて、貴重なコメントをされていました。
この討論では、旧態然とした家庭の役割に縛られた女性の苦労話があり、
また離婚したことで自由はあっても助けのない母子家庭の苦労話があり、
自ら政治活動に関わって、自分と周囲を変えた女性の話も刺激的でした。

ここまで終わって、時刻は4時半を回っていましたので、
今日はこれで終わりかと思っていたら、そのあとに憲法学習会です。
参加者もスタッフも大変だろうけど、杉浦さんは大丈夫なのか?
と思っていたら、どうやらこの学習会は杉浦さんの提案らしい。
まあ企画した人も人なら、講師も講師で、参加者にも恐れ入ります。
僕も成りゆきで付き合いましたが、杉浦さんの憲法話はわかりやすくて、
9条だけでなく、憲法全体を解説されたのも良かったと思いました。

全部終わったのは6時半を過ぎていまして、皆さん疲れも見せずに、
むしろ始まった時よりも元気いっぱいで、声まで大きくなっていました。
このあとさらに懇親会へ行くとかで、皆さんぞろぞろとお出かけです。
僕はそうした場所へは行かないことにしているので、ここでおしまい。
杉浦さんがおっしゃる通りに、高岡の女性パワーはたいしたものだと、
あらためて思いながら、それでも進まない男女共同参画を思うとき、
たしかにこれは、一筋縄ではいかない根深い問題なのだと知るのです。