南砺市議会・傍聴記

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今年に入って、市民の政治参画プロジェクトを企画していながら、
実は自分の住んでいる南砺市では、まったく何もしていません。
一度くらいは、南砺市議会も見ておきたくなって、行ってきました。
南砺市の行政施設は、合併前の庁舎をブント式で使っていまして、
市議会場は、福光庁舎の5階だってことはネットで見ていきました。

市庁舎の正面から入って、ガードマンもチェックもなく5階へ。
のつもりだったのに、間違えて4階で下りてうろうろしましたけど、
それでも基本的に、不審者としてみられることはありませんでした。
このあたりが、土徳と称される砺波地方の人間に対する信頼です。
だけど愛知と高速道路が繋がれば、これは危ないかもしれませんね。

こんな時は、なるべくきれいなお姉さんを見つけて場所を聞きます。
そこでようやく、自分が階を間違えていることを教えられまして、
照れ笑いしながら階段で5階へ上がり、傍聴席を見つけました。
入口で所定用紙に住所と名前を書き、傍聴者票を胸につけて入場です。
先客は2人、そのあと3人ほど入ってきて、合計6人ほどの傍聴でした。

10時の定時きっかりに会議は始まりまして、議長の進行で質疑応答。
最初に自民クラブの嶋信一議員が、来年度の市政施策について質問です。
このとき議長は、番号で議員を呼ぶのに、ちょっと驚きました。
また議員が演壇に上がりさがりする道筋も、どうやら決まっていて、
議員が着席するまで、議事を進めないのも厳格に守られていました。

たぶん、こうした細かなルールは必要があって生まれたのでしょう。
今は面倒なだけとしても、いつか何かのときに大切になるかもしれない。
多少ばかばかしくても、しっかり守り続けて欲しい気がしました。
嶋議員の質問は、公共施設や職員の能力が活かされていないことや、
コミュニティバスの利用価値を高めた方がいいのではないかとの内容。

嶋議員の質問が15分間で、溝口市長の答弁が同じく15分間あって、
質疑応答は、ひとり30分の持ち時間と決められているようでした。
市長の答弁の中で、職員の意識改革が足りないと言われたのはいいけど、
どのような改革を望んでおられるのかは、ほとんど話されませんでした。
来年度の市政施策をまとめての質問ですから、こんなものでしょうか。

続いて池田庄平議員の質問で、これからの公共交通機関の充実について。
現在23路線あるコミュニティバスの、利用価値を高めることや、
観光客にも利用しやすいバス路線の設置、などが打診されました。
また北陸新幹線開業に伴う氷見線城端線の一体化や駐車場の拡充など、
これらの提案は、市長答弁では、有効な提案とは認められませんでした。

10分の休憩のあと、岩崎誠議員の質問で、南砺市病院事業について。
去年から今年に掛けて、市民の一番の要望が医療の充実だとして、
スタッフ確保、ITネット化、スタッフ育児、奨学金制度、など、
3つの病院改革の話と合わせて質問され、市長と医療局管理者から、
育児は検討するとか、スタッフ確保に尽力しているとか説明がありました。

午前の部最後は、高橋猛議員の質問で、いきいきとした森林づくり。
今年は虫食いの被害が増えたことや、間伐材の手入れの遅れを指摘して、
地籍調査の推進や間伐事業への積極的な助成金を求めるものでした。
これに対しては市長と産業経済部長から、環境問題を含む解決策のため、
林道整備をして、森林組合の合併に伴う事業の拡大を望むとのことでした。

ここで午前の部は終わりましたので、僕は議場を後にしました。
総じて思ったことは、それぞれ大事な問題なのに、突っ込んだ議論はなく、
既に決まっていることを、議員と行政が15分ずつしゃべっただけです。
それぞれ詳細な議論は、委員会や審議会でやっているのかもしれませんが、
議会がこのようにセレモニーでしかなければ、傍聴人は増えないでしょう。

今や市民は、説明を一方的にしゃべられるだけでは納得しません。
疑問に思うことは言いますので、しっかりそれに答えていただきたい。
そうした意見交換の場がなければ、政治を信頼できなくなっているのです。
そこで僕らは、市民の「政治参画プロジェクト」を始めたわけですが、
こうしたことを、本来は議員や行政の側から押し進めて欲しいのです。

長々と書いてしまいましたが、政治は文化ですから、言葉でもある。
言葉を尽くして、お互いに信頼関係を築かなければ、良い政治は出来ません。
せっかく選挙に立候補して、市民を代表する議員になっているのですから、
さらに真剣に、多くの市民と共に歩む政治を目指していただきたいものです。
最後まで読んでいただいた方は、お疲れさまでございました。