暴力団と金融マネー

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小泉・竹中路線の経済政策によって、
お金さえ増えれば豊かになるのだとされてから、
この国は800兆円の借金による経済成長を続けています。
なにしろ国民から集めたお金を利子として支払うだけで、
何も生産しなくても経済成長を続けるのですから、
金融マネーだけが膨れあがって貧富の差が拡大する。

こんな馬鹿げたまやかしが国の政策なのですから、
大企業から平凡なサラリーマンの一人一人まで金融に走る。
株やファンドや先物投資に大量のお金が集まれば、
これまた何も生産しなくても資産が資産を増やしてくれる。
こんな美味しい手口はまるでヤクザか暴力団の手口だろう!
そう思っていたらこれがそのまま現実のことでした。

マネーロンダリングよろしく暴力団の資金であっても、
お金だけを見ればお金は同じお金でしかないので、
資金を必要とする経済活動をする人にとってはありがたく、
これは経済の潤滑油と表現するトレーダーもいるのです。
実際に通常の融資では間に合わない経済活動が、
こうした暴力団からのマネーで賄われていたのです。

そのような法整備を整えたのが規制緩和だったので、
今では日本の経済活動の奥深くに暴力団マネーが活躍し、
すでに何が暴力団で何が正当な金融活動かも線引きできない。
これが日本の経済成長を支える金融マネーの一面なのです。
かつては違法で社会的にも許されなかった暴力団活動が、
いつのまにか経済活動に深く根を張り広がっている。

これって暴力団が更生してまっとうな活動を始めたってこと?
それともみんなして暴力団活動のような社会になったってこと?

お金に罪はないので使う人の問題だなんて言っている間に、
罪のない金融マネーは益々増え続けて多くの人を苦しめ、
一部の人に膨大な富が集約されていく社会なのです。
この金融マネー社会に本質的に問題がない等という人は、
きわめて頭が悪く非人間的な数字勘定しかしない人でしょう。
そんな人を日本の有権者はリーダーにしているのです。

これはまあ昨夜のNHKスペシャルを見た感想ですが、
金融マネーの規制緩和でこの国の互助精神をぶち壊した以上、
いずれ避けては通れない道だったことは間違いないのです。
その有効な解決策がどこにあるとも思われないままに、
この国はひたすら貧富の差を作り続けていることが、
どうして多くの人に理解されないのかも不思議な気がします。

番組ではそうした暴力団マネーロンダリングに協力する人を、
暴力団と共生する者!なんて呼び方をしていましたが、
お金がなければ差別される公平な社会を作ろうというのだから、
ほとんどの人はお金に縛られて共生する者の予備軍です。
証券取引所や警察が取り締まりきれるものではありません。
これほどの闇はこの国始まって以来のことかもしれない。

死ぬまで騙して欲しかったとは日本人の得意な言い回しですが、
ずっと騙されたままでも幸せだった人はいいとしても、
騙されたは気付いたは抜け出せないはではどうにも苦しい。
そうした現実の中で絶望的な気分も膨らんでいるのでしょう。
このままの生活が続くくらいなら戦争になった方がいいなんて、
本気で考えている人が憲法9条を変えようといいだしている。

そんなに絶望しなくても生きる道はしっかりとあって、
早くお金経済から抜け出して食料を作り始めればいいのです。