自然農法・福岡正信の世界

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本とDVDがセットで販売されている、「自然農法・福岡正信の世界」は、
去年友人から勧められて預かったまま、ずっと読まずに持っていました。
福岡正信さんのことは、シード・ボウルが世界的にあまりにも有名なので、
わかったつもりになっていたのと、自然農は川口さんの流れを学んでいるのとで、
長い間そのままになっていたものを、急に見たくなってDVDを見てみました。

最初は福岡さんが自分の履歴を語っている感じで、特別感慨もなかったのですが、
(Ⅲ)の「 衣・食・住」や、(Ⅳ)の「何もしないということ」あたりからは、
ときどき自分でも気付いていながら、生活に流されて忘れていることが、
次々に指摘されて出てくるので、次第に熱心に話を聞くようになっていました。
そして90歳を超えても新しい試みを続ける(Ⅵ)の「穂播きの試み」などは、
あくなき自然化への道標を見るようで、自分の自然農を反省もしました。

それからあらためて本の方を読んでみると、これが手短によくまとまっており、
彼が65年間に著した6冊の本の、大切な部分が集約されていた気がします。
いや、僕はその中の一冊しか読んではいないのですが、本のあとがきに、
編集部が福岡さんの本(わら一本の革命 総括編-粘土団子の旅)を抜粋編集、
と書かれており、僕はこの本に彼の思想が集約されていると感じたのです。

計らずして欧米の砂漠緑化に取り組んできた福岡さんは、地球上の砂漠化を、
「自然が自然に砂漠になったのではない。人類の知恵が、今も昔も、地球を、
 人の心を、砂漠化し続けている元凶である。とすれば、人知人為を排除し、
 消滅させていけば自然は自然に復活する」と言ってのけます。
しかもそれを自分の生活の中でも実践して、国連からも認められているのです。
人工的な植林などではなく、人為を排して自然を助けるところがスゴイですね!

この本の中には、現代文明の批判や成長神話による社会への批判など、
「ワラ一本の革命」と言われる通りに、価値観のひっくり返しがあります。
しかし僕らのように、現代社会の豊かさに対して疑問を持つものにとっては、
こうして自然と一体することでもたらされる価値観が、勇気づけになるのです。
この世界は、今ある奇妙な価値観を信じなくても美しいのだとわかるのです。


DVDブック「自然農法 福岡正信の世界」は、こちら(↓)から。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4393970195?ie=UTF8&tag=isobehon-22