福田首相の所信表明演説

イメージ 1

新しく総理大臣になった福田康夫さんの、所信表明演説がありました。
安倍首相の強引な「美しい国」から一変して、「自立と共生」が主題です。
このフレーズは、民主党の小沢さんのキャッチコピーでもありましたが、
実は僕らの市民活動のテーマでもあって、どうにでも取られる言葉です。
その端的な例が、去年の障害者自立支援法で言う自立の概念であって、
この法律の施行により、多くの障害者が自立どころか生活苦を味わいました。

それでは福田さんは、どのような自立と共生を考えておられるのか?
詳細はもちろん、これからの施策を見ていかないとわからないことですが、
少なくとも安倍首相のように、数々の悪法を強引に通したりはしないでしょう。
思えば安倍首相は、祖父の叶わなかった念願の改憲に執着したあまりに、
再び祖父と同じ、平和憲法の力によってその地位を追われたのかもしれません。
そうであれば、今しばらくは、また日本は穏やかで平和な国になるでしょう。

軍隊による威圧で、他国を自分たちの都合のいいようにしたいアメリカに、
日本はどこまで付いていくのか?、それともアメリカとの対決も辞さないのか?
いずれはそうした選択も必要になるかもしれないけど、今はまだ早すぎます。
アメリカには逆らえないから、実際には世界中で破壊活動に手を貸していても、
そのアメリカだって、世界の自由と人権のための戦いだというのだから、
日本はとりあえず、あらゆる国に自立と共生をうながしてもいいわけです。

今年の教科書検定では、沖縄の日本軍による集団自決が抹殺されようとして、
沖縄県では抗議運動が広がり、11万人という大量動員を記録しています。
それを受けて渡海文部科学相は、「沖縄の人たちの気持ちも考え、
何をするべきか、何をできるかを考える必要がある」と述べました。
そして内容を修正することで、この問題は決着する見通しになりました。
これも新しい福田政権の、話し合いによる共生への道筋でしょうか。

エネルギーと食料、この二つの自立と、弱い立場の人を切り捨てない共生。
こうした当たり前に模索すべきことが、ようやく政治の世界でも認識されて、
たとえばエンド・オブ・サバービアの次にどんな社会を建設するのか?
すみやかに検討して、大量エネルギーをまき散らす経済システムを抑制し、
次世代の人も安心して暮らせる、人間復興の社会作りに取り組みたいものです。
福田政権でも小沢政権でも、そうした市民の願いを聞き入れたらいいのです。


第168回国会における福田内閣総理大臣 所信表明演説は(↓)こちら。
http://www.kantei.go.jp/jp/hukudaspeech/2007/10/01syosin.html