「病気になる人、ならない人」

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~がんばりすぎるとガンになる!? ~と帯に書かれたこの本は、
優秀な外科医として活躍された、現役医師・土橋重隆さんの著書で、
「病気になる人、ならない人 その見逃せない法則」と言うものです。
興味を引かれて読んでみると、納得できることが書かれてありました。

著者の土橋さんは、長い間の外科医の経験から現代医療に疑問を持ち、
治療とは何か?、人は何故病気になるのか?と考えるようになります。
すると、ウイルス感染症の治療と一部の外科手術による除去治療以外は、
ほとんどの医療は、病気を治しているわけではないことに気付き、
これでいいのだろうかと、素朴な疑問を抱くようになったようです。

多数の症例から抽象された一般的な対処療法を、すべての人に処方する。
こうした十把一絡げの対処が、多様な個々人に当てはまることは希で、
外科手術による明確な病巣除去や、ウイルス感染症以外に対処する医師は、
患者の様子を見ながら、対処療法を重ねていく、これが西欧医学です。
つまり病気を治すのではなく、抽象的対処をしているだけだと言うのです。

それでは、抽出されずに捨象された個々人の事情はどうなっているのか?
実はここに、人が病気になる原因があり、治る鍵もあると考えたのです。
それは西欧医学の常識から見れば、数値的な根拠の乏しいものなので、
認められることは困難なことだと知った上で、彼は実例から考察を進める。
そして医学では治らないと診断された癌が治った実例を整理するうちに、
そこにいくつかの法則が成り立っている事を見出していくのです。

(1)現実や常識から離れ、固定概念を捨てる。
(2)癌になった現実を忘れ、何かに夢中になって暮らす。
(3)しっかりとした自分の人生観を持って生きていく。

まったく医療とは関係なさそうな、こうした心の豊かさこそが癌を治す。
逆に言えば、こうしたことを出来ない人が癌になりやすい!と知るのです。
多くの症例から抽象された、健康に害のあることを並べて遠ざけるよりも、
自分の人生や生き方を自由な発想で考えて、常識に囚われずに生きる方が、
癌やその他の病気にならないで過ごすことが出来る、と結論づけます。
つまり「~に違いない」との思い込みが、人の病気を進行させるのです。

著者は最後に、進化論で有名なダーウインのこんな言葉を引用しています。
「生き残るのは強いものではない、変化するものが生き残るのだ」
土橋さんは、外科医としての自分の過去や西欧医学を否定するのではなく、
それには一定の評価と、気付くきっかけとしての役割を認めながら、
将来に向けては、医学的治療よりも個々人の生き方が大切だと見抜かれる。
まったく違う分野から、僕らと同じ結論を引き出されたことに驚くのです。

新しい時代の方向は、もう見えている感じですね♪


土橋重隆の「病気になる人、ならない人」は、(↓)こちらから。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4797342455?ie=UTF8&tag=isobehon-22