テレビを見なくなる人たち

今日は、2001年のNY911事件から、6年目の日になります。
あれ以来テレビは御用放送の様相を強めて、ジャーナリズムは影をひそめて、
政治の世界までが、エンターテイメントなショーになってきています。
それを良いと思う人は少ないでしょうが、日本人は何にでも慣れやすいので、
どんな事態だろうとすぐに適応して、優秀な人材になってしまうのです。

とは言え、それも限界に近づいているのか、適応できない人は増えている。
中には僕のように、積極的に適応を拒否する人も増えてきているようで、
特に民放の商業主義的なテレビ番組を見ることに、嫌気が差していたりする。
そんな人が、地上テレビ放送がすべてデジタルになるときに、
もうテレビは要らないと考える人が増えてきても、不思議はないでしょう。

4年後のテレビ「地上デジタル化」に向けて、gooのリサーチによると、
すでにデジタル化の対応を整えている人は、約三分の一の29.31%。
さらに 57.6%は、デジタル化までに購入予定と答えているのですが、
その他の人は、ケーブルテレビやネットテレビ、衛星テレビに移行する中で、
2.5%の人は「テレビを見るのをやめる」と答えているようです。
(2007/9/7~9/10 全国10代~60代以上のインターネットユーザー1,079人)

アンケート対象者がインターネットユーザーなので、老人は含みませんが、
そうした人はいずれ少数者になっていくので、無視してもいいでしょう。
大切なのは、100人中2~3人が、自らの意志でテレビを離れることです。
しかもこの数字は、1年前の調査では 1.8%だったらしいので、
実際に全部の放送が地デジに変わる頃には、5~8%になるかもしれない。
そのくらいに、テレビが人々の心を捉えなくなってきているということです。

しかしながら、僕はインターネットによる情報社会がいいとも思いません。
テレビも本来は道具なので、使われ方次第で人々を堕落させもするわけですが、
同じことはインターネットにも、世界中の衛星テレビにも言えることです。
それでも人々の新しい流れには、必ず大切な「何か」が含まれているもので、
海外の衛星テレビでは、日本の常識ではない価値観が見られるわけです。
そしてインターネットでは、個々人の考えていることが直接発信されます。

こうして誰でもが、多様な情報ソースを選択的に利用するようになれば、
政府やマスコミやお偉いさんの言うことを鵜呑みにするのではなく、
情報源さえも自分で選択的に判断する必要が出てくるでしょう。
そのとき人々は、何が正解かも自分で考えて決めなくてはならない。
さて、日本の教育に、そうした自立心を養う視点はあるのだろうか?