冤罪を防ぐために!

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今年は例年になく「裁判」と「冤罪」を考えさせられる年のようです。
まずは年初に、周防監督の「それでもボクはやっていない」が公開されて、
自分とは関係ないと思っていた冤罪が、明日は我が身の可能性があると知ります。
http://blogs.yahoo.co.jp/isop18/44779734.html
ある日突然、駅のホームで「痴漢です!」と言って捕まえられたら、
実際にやっていなくても逮捕され、起訴されて、有罪になってしまう。
しかもひとたび起訴されたら、99%の確率で有罪になると言うのです。

それでも、まさか自分の周囲でそんな冤罪はないだろう!と思っていたら、
富山県内で女性を強姦した罪で服役を済ませた人が、冤罪だったと判明します。
自分で犯行を自白までして服役した人間が、実は無罪だったと判明する。
いったいどういう事かと思っていたら、高岡法科大学の一般開放講座で、
弁護士 米澤龍信さんの「冤罪事件は何故起きるのか」って講演会がありました。
http://blogs.yahoo.co.jp/isop18/45168429.html
その話を聞いてびっくり。冤罪は日常的に起きているらしいのです。

しかもこうした冤罪は今に始まったことではないって事が、
2月25日の「KNBふるさとスペシャル」でも教えられました。
http://www2.knb.ne.jp/furusato/furusato_20070225.htm
それは戦争前の言論弾圧の末に、冤罪で逮捕された人が拷問の末に有罪となり、
死刑にされてしまった、横浜事件にまつわる、一枚の写真の話でした。
当時も今も日本の裁判制度はどこかおかしい。そのどこがおかしいのか?
米澤さんは、冤罪防止の3つのポイントも話されていました。

(1)自白の強要を防ぐには、代用監獄制度を改め、法務官が容疑者を管理する。
(2)いかさま鑑定を防ぐには、一人ではなく複数の人が証拠を鑑定をする。
(3)裁判で十分な審議を得るには、裁判官や検事の数を大幅に増やす。

その後、鹿児島では大がかりなでっち上げ選挙違反冤罪事件があって、
この事件は何度もテレビで取り上げられ、被害者の悲惨な3年間が報道されました。
これらの痛ましい冤罪事件を受けて、昨夜もETV特集として取り上げられ、
「私はやっていない ~冤罪はなぜ起きたのか~」が放送されていたのです。
http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2007/0909.html
この番組では、参加者からいくつかの防止策が提言されていましたが、
「時期尚早」という最高検察庁のコメントには、呆れるしかありませんでした。

(4)警察が調べた証拠は、有罪立証に不都合なものも含めて全面開示させる。
(5)取り調べの過程はすべて録画録音して、密室での自白強要を防ぐ。
(6)裁判官を無条件で信じるのではなく、再審の道は広く門戸を開けておく。

これらの冤罪防止策は、経験豊かな法律の専門家から出てきたものであり、
素人の僕が見ても、なるほどこれが実現すれば多くの冤罪は防げると思われます。
それにもかかわらず、戦後の60年間何も手直しされないのはどうしてなのか?
これで「時期尚早」などとコメントする検察庁を信じるのは役人だけです。
こんなデタラメで権威主義の権化のような裁判で、裁判員制度と言われても、
そりゃあ恐ろしくて、うかうか参加できないと言うものでしょう。
僕らは裁判官のような、身分保障されたバクチ打ちじゃあないのですから!


周防監督の「それでもボクはやっていないスペシャル・エディション(DVD 2枚組)」
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000JJRW5I?ie=UTF8&tag=isobehon-22