1億5千万円の裏金

これを書いていいものかどうか迷いましたが、聞いてしまったのだから書きます。
実は今日、季節の移り目に忙しかったこともあって、体を休めるために温泉に行きました。
広い休憩室を備えた、公共の日帰り専門の温泉で、ゆっくりするため本を持っていきました。
まずは全身を洗って、頭の先まですっぽりと温泉に浸かって心ゆくまでリラックスしたあと、
畳敷きの休憩室で横になっていたら、ウトウトといつのまにか軽く眠ってしまいました。
やがて目が覚めて、聞くともなく隣のテーブルに集まっている人の話を聞いていたら、
なにやらとんでもない話が、どうやら単なる噂だけでもない様子の話だったのです。

どこぞの有力者たちが、町の裏金をひとりの信頼できる男の口座に預けておいたところ、
その男が急死して、1億5千万円が引き出せなくなってしまったという話なのです。
しかもそのあととり息子は町を離れていたために、裏金の事情はまったく知っておらず、
父親名義の口座にあるおカネだから、相続する権利があると言い出せば否定できない。
まして長年に渡って税金をちょろまかして作った裏金だから、町のおカネだとは言い出せない。
かくしてそのせっかく町の裏金として貯めおかれた金額は、あきらめるしかないと言うのだ。
こんな公共の温泉で、とんでもないうわさ話をするものだと聞いていたら、
どうやらこれが、単なる噂ではなく信憑性のある話だとあとになってわかったのです。

話を聞いていたときは、何のことだかわからなくて、ただ聞いていただけだったのですが、
そのあと家に帰ってテレビのニュースを聞いていたら、南砺市のとある有力者が亡くなって、
元知事とか現職の衆院議員などが、戦後の富山に格別の貢献をした人物を亡くした!
と長い時間を割いて功績を紹介したりしていたのです。これって温泉で聞いた人のこと?
僕は30年近く郷里を離れていたので、人名に関してはわからない人ばかりでしたが、
市町村合併による行政単位の変化で、裏金はしばらく様子見状態だったらしく、
使う機会を逸したままに、その男の口座で眠っていたらしい話などは辻褄が合うのです。

あまりに話の前後がなくて、ここに書いた以上のことはまったくわからないのですが、
直感として、その亡くなった有力者の口座にあるお金の話だろうと想像できました。
今日もまた社会保険庁の公務員による公金横領が、2億円を超えていたとニュースが流れ、
公務員による好き勝手な公金の使い方、ごまかし方には、罪悪感さえ感じられない中で、
町の有力者たちが、不測の事態に備えて裏金を作っておくことは正しかったと言うのか?
その顛末が、こうして誰かの懐に渡ってしまったとしても、すべては闇の中なのでしょう。
このような公務員の公権乱用を拘束するために、日本国憲法は存在するはずなのに、
この国では、国政の長からし憲法を守る気がないのだから、何でも有りなのだろうか!