ひめゆり学徒の証言

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高岡市中田の父母会が主催した講演会、
「次世代に今、伝えたいこと」に行ってきました。
かの有名な、沖縄ひめゆり学徒の生き残りで、
平和記念資料館の語り部となられた宮城喜久子さんが、
東京での講演会に続いて、高岡にも来てくださったのです。

僕は2005年に、沖縄での平和映画祭開催を手伝って、
その他の年にも、毎年沖縄には行っていましたが、
あまりにも有名な「ひめゆり」に関しては、
映画などで知っているつもりになっていただけで、
今まで直接話を聞く機会がなかったのです。

シャキットの情報でこの講演会があることを知って、
さっそく場所を探して行ってみたのですが、
これほどのチャンスに、来場者は30人ほどでした。
しかも残念ながら、父母ばかりで子どもは一人も来ていない。
何か、子どもに聞かせたくない配慮があったのでしょうか?

なるほど、話の内容は悲惨なもので、聞くに堪えない。
中にはすすり泣きながら聞いている人もいましたし、
僕は思わず歯を食いしばって聞いていることもありました。
それほどの過酷な話でしたが、これが戦争の現実です。
「自国は自軍で守る」なんてのは、たわごとです。

ひとたび戦争が始まってしまえば、人間性は失われ、
腕をちぎり、足をもぎ、内蔵が飛び散るなかで、這い回る。
軍隊も先生も信じることの出来ない、悲惨な日々が始まります。
そうした戦争の現実を伝えないから、心が通じなくなる。
僕はこの宮城さんの話を、親子一緒に聞いてほしかった。

受験勉強の知識として、沖縄戦を知るのと、
その現実を直接話してもらって聞くのとでは大違いです。
知識ばかりを偏重するから、人の痛みがわからなくなって、
自分の不都合を、他者を傷つけることで逃れようとする。
子どもたちの乱れは、道徳教育の問題ではないのです。

貴重な宮城さんの体験談を聞いて心を乱されながら、
それを子どもたちと共有せず、都合よく教え込もうとする、
何か作為的なものが入り込んで親子の溝を広げてしまう。
そんなことが起きるのではないかと、危惧してしまいました。
親子はもっと時間や体験を共有して信頼を築くべきです。

戦争体験の話を聞きに行った帰りなのに、
僕はそんなことを考えながら車を運転していました。

宮城喜久子さんの「ひめゆりの少女―十六歳の戦場」は(↓)こちらから。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4874981607?ie=UTF8&tag=isobehon-22