夏旅の終わり

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2007年の夏旅は、7月7日の東京平和映画祭から始まって、
8月5日のフィロソフィアへの参加で終了しました。
まったく同じ旅なんて二度とはないのですが、特に今年は、
しばらく閉じていた平野の宿が再開されたのに合わせて、
何年ぶりかで、平野に長期滞在できたのが嬉しかったですね!

今年から西表国立公園が広がって、石垣島もその範囲に加わり、
島の珊瑚礁は、いくつかの場所で特別保護を受けることになります。
だけど僕が知る限り、この保護区はかならずしも当たっていない。
むしろ特別保護区の外にこそ、本当に美しい場所がある。
それでもこうして珊瑚礁の価値が認められたのはありがたい。

石垣島の北端には平久保灯台があって、そこからの長めは美しい。
だけどそれだけなら、似たような風景は日本中にあるでしょう。
この平久保灯台からの眺めがすばらしいのは、見渡す限りの、
美しい珊瑚礁の中に、命が密に連なった奇蹟の世界があることです。
この命の世界が、最近20年ですっかり貧しくなってしまった。

それは決して小さな集落の人たちが生活するからではなく、
はるか遠方での大量消費型文化による環境破壊が及んできて、
あらゆる豊かな環境を、オイルとおカネで破壊した結果なのです。
これからの子どもたちに、これ以上の苦痛を与えてはいけない。
もっと生きることの楽しみを伝えるのが、僕の環境運動なのです。

写真に写っているカニは、実は交通事故で足を一本失っており、
バランスが崩れて、うまく歩くことも出来ないでいました。
平久保半島には、道路に出てくる生き物はたくさんいますが、
昔はこんな野生の交通事故はほとんどなかったのです。
生き物を見れば、車の方が避けてとおるのが当たり前でした。

しかもこのカニは、道路脇に捨てられたゴミを目指して来たようで、
観光客が捨てたらしい、ファーストフードのゴミ袋がありました。
海は汚れ、空気は汚れ、道路にまでゴミや生き物の死骸が転がり出す。
これで、おカネが増えたからと言って豊かになったと言えるのか?
醜い人間が「美しい日本」を唱えながら、その美しさを破壊する!

今年もいろんな事を考えて、僕の夏旅は終わりました。
最後の日は、朝早くから大量の洗濯物が庭に棚引きました。
洗濯物、開け放った戸や窓、食事を準備する匂い・・・
こうしたものが、どこへ行っても幸せの印なのです。
特別なことをやろうとするから、あらゆるものが破壊されていく。

石垣島の最後の夜には、久しく連絡の取れなかった桃原家の人たちと、
一緒にお酒を飲めたのも、今年の嬉しかったことの一つです。
新しいオーナーと古いオーナーが手を取り合って、
平野の魅力を守り、伝えていけるといいなあと思っています。
僕も元気なうちは、海の案内人になれるでしょう♪

沖縄から東京へ戻って、富山へ帰る、たった一日空いた日に、
フィロソフィアの集まりと講義があると知って、喜んで参加しました。
この会は、千葉大学の小林正弥教授(写真)が開催されているもので、
最初の頃は何度も直接講義を受けていたのですが、
東京か京都でしか集まりがないので、足が遠くなっていたのです。

話の内容はとても濃いものでしたが、参加者の皆さんも真剣で、
論点が明確なので、議論も活発で楽しい一日となりました。
貴重な休みの日を、こうした活動に捧げてくださる小林教授には、
感謝するしかないですね。この日も夏休みのお子さん連れで、
けっして家庭を疎かにしない態度も、信頼の証だと感じました。

昨日の朝に井波に戻って、旅の残務と、日常生活復帰に向けての準備。
最初は、台所に蔓延したカビとの戦いから始まったのですが、
そうして日常生活を取りもどしながらも、また新しい情報が入ってくる。
もう今日から、参加したいイベントが高岡であるので、
また富山でも、限りなく楽しい日々が始まりそうです。