恋愛のツボ

昨年WHOによって、361のツボの統一基準が決まりました。
そんな記事から、全身のツボの位置を示した本を読んでいたところ、
むかし付き合っていた女性のことを思いだしてしまいました。
思い出したのは、一人の特定の女性ではありますが、別の女性でも、
自分が恋愛感情を持つ、あるいは恋愛関係にあるときには感じる、
その人にだけ抱く、全身を愛撫したい気持ちのことなのです。

いわゆる「体のツボ」は、全身のいたるところにあるのですが、
ひとたび好きになった女性を抱くときには、その全部を愛撫したい。
たぶんこのツボの一覧表に載っているようなところはことごとく、
いやそれ以上に、全身隙間なくキスをして頬ずりをして肌を合わせ、
このうえもなく熱心に押さえ、さすり、つかみ取ろうとする。
冷静に見れば、いったいこれは何をしているのかよくわからない。
だけど間違いなく恋愛感情によるものだし、女性は気持ちいいのです。

女性によっては、そのようにあからさまに全身を愛撫されることを、
いやがる人もいますが、思いだした女性はそうではなかったのです。
同時にこちら側でも、そうした欲求を強く持つ時期だったのでしょう、
いったん彼女を愛撫し始めると、頭のてっぺんから足の先まで、
それこそ一点の隙間なく愛撫をして、唇を押し付けていたのです。
いや実は、それが僕にとって彼女へのマッサージでもあったわけで、
僕は喜んでそうした行為をしながら、彼女もそれを喜んでいたのです。

このような関係は、恋愛関係を抜きにすれば母親と赤ん坊にも見られ、
女性は自分の赤ん坊に対して、その全身を触れることで愛している。
男が赤ん坊にそのようなことをすれば、赤ん坊は傷つくかも知れない、
だけど愛する女性にする場合には、全身が恋愛のツボとなるようです。
人の幸せは不思議なもので、こうした行為を数値化はできません。
こうした特別のマッサージをする中で、愛情は深まり、絆ができる。
気が付くと彼女の股間に、清らかな一滴が光って見えたりすれば、
男は命をなげうってもいいほど、至上の幸せを味わってしまうのです。

さて最近の僕は、しばらく恋愛から遠ざかったままでいますので、
こうした恋愛のツボを押さえることも、滅多に無くなっているのですが、
幸いにも過去の幸福な記憶が、今の行動力の衰えを補ってくれている。
だからまあ、若い人が社会問題に関心を持つよりも恋愛に夢中になる、
そんな気持ちもよくわかるし、それはある意味健全なことなのでしょう。
問題は、そうした喜びの連鎖を途切らせるような、社会の歪みであり、
人が自由に愛し合えないような、社会の仕組みこそが悪なのです。

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