(株)ブレストのゴミ革命

昨夜「素敵な宇宙船地球号」で、画期的な技術を紹介していました。
この番組は、以前から興味深い内容が多かったのですが、
今回は、神奈川県茅ケ崎市にある(株)ブレストが研究開発した、
プラスチック・ゴミから燃料を作り出す家庭用油化装置の紹介です。
社員が4人の小さな会社で、社長の伊東昭典さん(47歳)は、
若い頃には漫画家の助手をしていたらしい、面白い人のようです。

その技術は、マーシャル諸島共和国で国策として採用されて、
それまでゴミでしかなかったプラスチック類が、油に再生されている。
もともと石油類から作られたプラスチックを石油に戻すことによって、
大問題だったゴミの山が、突然資源として有効活用されるのです。
例によって日本の法律は、市民ではなく利権を守るものなので、
ここで生みだされるガソリンは、日本では自動車には使えません。
だけど、自分の家で動力や燃料として使う分には問題ないのです。

プラスチック類のゴミに関しては、日本でも分別は進んでいますが、
そうして分別した「プラ」がどの程度再利用されているかは、
残念ながら、コスト高であまり利用されていないのが実情のようです。
しかしながら、伊東さんのアイデアがすばらしいのは、その発想で、
家庭にあるプラ類を大がかりに集めて大規模に利用するのではなく、
各家庭で油に戻して、各家庭で利用するから、コストも安い。
余計なインフラも輸送コストも必要ない技術なのです。

こうした技術は、僕が主張している食とエネルギーの自立にとって、
いずれは必要不可欠なものになる可能性が、とても高いのです。
すでに技術的には、何でも電気に頼りさえしなければ、
太陽光や風力や水力など自然エネルギーで家庭電力は賄えるはずで、
これにプラスチックから取り出す油を、動力として使えれば、
各地域でのエネルギー自給は、ますます当たり前になるでしょう。
それでなくても危険な原子力産業など、早くやめていただきたい。

大量に人を殺してまで他国の石化資源を手に入れようとしたり、
市民を無力な家畜のように原子力の危険に晒したりしなくても、
人類は少しずつ、自分たちの生活を自力で賄えるようになっていく。
いずれ争いは国家間ではなく、守旧利権者と自立尊厳者との間で、
何らかの妥協点を探しながら続いていくとは思うのですが、
その流れが、より小さな個々の自立と交流に向かうのは確かです。
少しでも早く、新しい価値観の人が増えることを祈ります。