「キミがこの本を買ったワケ」

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なんとも人をバカにした、奇妙なタイトルで、
それがどうしても気になるので手に取ってしまう。
「買う理由を初めて解明したビジネス書」
と副題が付いていて、消費者は何故それを買うのか、
買い物をする時に商品を選ぶ理由を分析した本でした。
著者が「指南役」ってのも、小馬鹿にしてますね。

いったん緩んだ財布のひもは、一貫性の原理でもって、
「ついで買い」に走りやすく、レジ手前で何でも買う。
古い店の方が信頼できるのに、つい新しい店に入る。
一番人気よりも、二番目や脇役をひいきにしたがり、
これから自分たちがブームを作ると思いたがる。
実は選ぶのが苦手だから、すでに選ばれたものが好き。

こんな話が手を変え品を買えて続いていくと、
どうしても、自分のことじゃないとは言いきれない。
たくさん書いてある中には、当てはまることもある。
でも当たらないことだって多いのだから、なんだこれ、
結局はどうとでも受け取れる、だからつまりは、
これと言って何も決まらない話なのだと気付くのです。

必ずしも、売る側が考えたように買われるわけではない、
むしろ買う側の希望と、売る側の希望がマッチしたとき、
初めてヒット商品と呼ばれるものが出来るワケだとか。
しかし面白いのは、普段は欲しいから買うわけでもなく、
自分の勝手な妄想の中で買い物をしているらしいのです。
さらに、何故それを買ったかの言い訳がしやすいものを。

とまあこんな感じで、人が何かを買う時の理由を、
様々なケースに分けて検証しているのは興味深いけど、
それではどうすれば売れるかと、わかるわけでもない。
さらには、ほんとうに必要で買っているものは少なく、
どうでもいい買い物をするために、おカネを稼ぐ?
気が付けば、なんともさみしい消費生活の正体です。

この本を作った趣旨はどうあれ、僕が読んで感じたのは、
大量消費社会って、幸せになったつもりを作って売る、
そんな幻想を追い求める社会でしかないってことでした。
そう、この本だって、まったく何にも必要のないもので、
それを教えてくれたのがこの本だってことは・・・?

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