弱者いじめの税源移譲

今年の3月から税制が変わるようです。
名目は地方自治の推進を目指した三位一体の改革で、
実は、またしても大変な弱者いじめが始まります。
それは税源移譲というきれいな名前が付いており、
政府の説明では、増税はまったくないことになっている。
たしかに高額所得がある人は増税されないのですが、
低所得者ほど税負担が大きくなる仕組みなのです。

簡単に説明すると、所得税が減って住民税が増える。
つまり所得の多い人は平均して税金が減ると同時に、
所得の少ない人には少額だった住民税が、
高額所得者と同じ税率にされてしまうのです。
高額所得者を減税して低位所得者を増税するという、
おそろしい税制改革が行われようとしているのです。
さあカネを稼げ、稼がないヤツからも税は同じに取る、
と言った、おそるべき平等政策が始まるのです。

どうしてこんなひどいことが認められたかと言えば、
地方自治推進のためには、地方行政の財源が必要で、
これは住民税によって成り立つのだから住民税を増やし、
地方に対する国の負担は減らすから所得税は減ってもいい。
おいおい、どうしてそんなに問題のすり替えができるの?
この機に乗じて、累進課税の意味さえ有名無実にしてしまう、
どこまで姑息な弱い者いじめをすれば気が済むのか?

どうやらこれでは社会情勢を不安定にさせるばかりで、
もうこの国を福祉国家にする気など無くしたのだろうか?
総務省では、税源移譲は増税ではないと説明しているけど、
なるほど税額の総量では増税ではないばかりか、
中高額所得者には減税でさえあるかも知れない。
そして所得の少ない弱者だけが増税を強いられる。
やがて不安定化する社会は、共謀罪で管理するのか?