誰がために

また大晦となって、明日からは新年です。
なんだか、長いこと生きている気がします。
いろんな場所で、いろんなことをして生きてきて、
その都度何かを求めて生きてきた気がするけど、
人間に大切なのは、何かではなく、誰かなんだと、
気付いたのはそう遠い昔のことではありません。

だけどその誰かとうまくやっていくことが出来ない、
自分は人間として欠陥者のようなものだと感じて、
その誰かを、不特定の人に求めたのかも知れない。
それが僕の多くの活動の根底にありそうです。
同じ思いを、特定の誰かに求めることが出来ないで、
未来の人たちに託すのが、僕に出来る唯一のこと。

誰かのためにしか生きられない人間でありながら、
誰ともうまくやっていくことが出来ないと知ったから、
それを「誰か」のためにと、置き換えて生きていく。
環境保護も、平和運動も、そんな中で見えてきた、
僕自身が生きていくための手掛かりなんです。
そして、生き方としての自然農に出会いました。

自然農を始めて、まだ5年にしかならないし、
これで生活の全部が賄えているわけでもないので、
正直なところ、あまり大きな顔も出来ないし、
どちらかと言えば、一人で小さく生きるしかない。
本来は、もう消え去るべき人間かも知れない。
だけどもうそんな考えもどうでもよくなってきました。

まだうまく言えませんが、何かが吹っ切れました。
むかしは行き詰まると「底が抜ける」感じでしたが、
わざわざそんなに行き詰まる必要もなくなって、
生きることに最初から、底も天井もない感じなのです。
今は来年何をして生きるかがある程度見えています。
それで十分、明日は静かに新年を迎えます。

みなさん、良いお年をお迎えください。