意味不明の核武装論

このところ、自民党中川昭一政調会長が、
確信的に核武装の議論をすべきだと言っている。
核兵器も自国を守る最低限の兵器に見なされるとか?
これって北朝鮮の核開発を自国を守る武器と容認するの?
日本の政治家の二枚舌が絵に描いたようによくわかる。
余所の国が行えば、世界平和の脅威だと大騒ぎをして、
自国がやるのは、国を守る最低限の兵器なのだそうだ。
こんな言い回しは、国際社会では通じないでしょう。

それにしても恐れ入った言い回しじゃないですか。
大量破壊兵器が隠されているとしてイラク攻撃を支持し、
結局はそれさえも見つからなかった核兵器に関して、
そもそもこれは自国を守る最低限の兵器だとは、
アメリカのブッシュ大統領をバカにしたいのか?
それとも800兆円の借金を帳消しにする方法を、
世界を核戦争の危機に煽ることだとでも考えたのか?
そうでなければ、さらにひどい何かを隠ぺいする工作か?

いつも思うことだけど、彼も国民が選んだ政治家です。
イラク攻撃をするブッシュ大統領を選んだのがアメリカ人で、
それゆえ世界中でアメリカ人が嫌われてしまっているように、
日本も自立するには、世界中から嫌われる必要があるのか?
それ以外に核武装を議論するメリットがあるとは思えない。
そもそも核兵器は自国の中では危険で使えないのだから、
核兵器は自動的に、自国ではなく外国で使う兵器になる。
つまりは防衛省構想と同じで、海外派兵が前提なのです。

今やアメリカの中間選挙でもイラク戦争は公然と批判され、
世界中のどの問題も武力では解決できないことを示している。
この世界情勢の中で、今日本の核武装を議論しようなどと、
日本国憲法を遵守する義務のある大臣までが何故言えるのか?
それを、議論することは大切だと誤魔化してしまうのは、
自分の役割を自覚していないとしか言いようがありません。
これが現代日本の無責任な現状を象徴しているからこそ、
様々に自分勝手な犯罪や社会問題が増えるのでしょう。

社会と政治は密接にリンクしているのです。