5年目の911

2001年の911事件から5年が経ちました。
この間には僕の人生にも大きな変化があったので、
振り返って思うことを書いておきます。

あるとき自分の命を自由に生きたいと思い、
会社を辞めて田舎生活を目指したのが99年のことでした。
それから2年間は、社会活動にはいっさい近付かないで、
自由な生き方だけを求めてさまざまな挑戦をしていました。
ところが02年の9月に911事件が起きたときに、
僕の中で何かが目覚めたんですね。

みんなが幸せにならないと自分は幸せになれない。
そう気がついたら、じっとしていられなくなったのです。
人間にとって真の幸せとはどのようなことなのか?
美しい空間や気持ちのいい時間を他者とも共有したい!
自分だけにとっての気持ちがいいとか美しいとかは、
「無意味」に等しいと気付いてしまったのです。

地球村に顔を出し、いくつもの映画上映会を手伝い、
辿り着いたのが石黒さんの自然農でした。
そして自分でも自然農による自給自足を目指し、
まみあなやJJ-PJにも参加するようになっていく。
そして04年の夏には、まみあなを使って、
JJ-PJの合宿や、きくちゆみさんのお話会までやった。

てんつくマンや長屋さんにも来てもらったし、
「まみな券」として地域通貨も実践しながら勉強した。
公共哲学フィロソフィアに参加したり平和映画祭を手伝ったり、
自分が書いた小説を本にして出版したりもできた。
女性との深い関係もあったし、沖縄での新展開もあった。
そして今年は「ぴーす フィルム フェスタ in 高岡」をやった。

今思えば、この何年かによくこれだけのことができたと思う。
それでもアメリカ軍を中心とした大規模破壊活動を思えば、
人々が平和のうちに幸せな生活を営むことの難しさを、
あらためて深く思い悩まずにはいられないのです。
強者が弱者を踏みにじって平気な拝金社会に対して、
多様な人生が同じ価値として共生できる社会はあり得ないのか?

5年目の今、僕はけっして悲観はしていません。
きくちゆみ、上村雄彦、小林正弥、鎌仲ひとみ、鎌田東二
こうした人々と次々に出会って新しい時代の流れを共有し、
池田晶子中村哲内橋克人チョムスキー、M・エンデなど、
多くの優れた人の教えや考えに触れることも出来ました。
そして実際に普段の活動を共にする大勢の仲間たちの存在!

こうして僕は一つの境地に立っていることを実感しています。
20代の頃にはけっして見ることの出来なかった地平が、
多くの経験を積み重ねたことによって開けている。
これをどのように活かすことが出来るのか?
僕は今ここにこうしてあることを感謝しながら、
また静かに一人の時間を熟成させようと思っています。