公安と共謀罪

僕はシュプレヒコールが好きじゃないので、
普段はデモとか集会とかには参加しない。
でも昨日の富山CiC前の集会では、
平和映画祭のアピールをさせてもらったので、
そのまま20分ほどの短いデモに参加した。

そこで20代後半のような男がそばに来て、
自分は障害者なんだけどと言いながら、
生活はどうしているのかとか聞いてきた。
どうも胡散臭いのだけど、もしも本当に、
自分の悩みを相談しているのであれば、
話し相手くらいにはなろうと思って答えていた。

だけどなにげなく僕の本名を聞いてきたり、
年齢や考え方を聞いてきたり、なにかおかしい。
本名は隠してももしょうがないので、
名前は言わずに苗字(みょうじ)だけを教え、
年齢は適当なことを言っておいた。
そもそも彼の悩みとは関係ないことだ。

ここで僕の脳裏をよぎったのは公安だった。
先日は法政大学でデモの人数よりも多い公安が、
学生のデモ参加者を一網打尽に逮捕している。
このところ公務員全体を減らしながら、
公安職員だけは増員しているのだから、
なにやら恐ろしい未来を想像してしまう。

さらに共謀罪なんてのがおおっぴらになって、
こうした公安職員が町の至るところに現れ、
発言内容から「良からぬ事」を探り出す。
そしてどこかで何か過激な事態が起きたときに、
誰でも共謀罪で捕まってしまうと言う筋書きだ。

まるで混乱期の中南米のような、あるいは、
戦争に突入していく管理国家のような事態が、
いつのまにかまたこの国で起き始めている。
困ったことに、多くの国民はそれを知らない。